なぜ香港高層ビル火災は防げなかったのか?日本では考えられない中国の危うい“安全感覚”

 

防災と竹の足場

さて、今回の火災とはあまり関係がない話をしてしまいましたが、中国の工事業者があまり安全など、そういったところを気にしないということはよくわかったのではないでしょうか。

竹の足場に関しては「鉄の方が安全ではないのか」ということを聞きましたが「竹の方がしなるし、そもそも人が運ぶだけなんだからそれほど重たいものを持つわけではないので、問題はない。経済的で安全なのだから竹を使う方が効率的である」ということを言います。

そのうえで今回関係がある話をすれば「竹は古くなればすぐ燃やせばよい。長く使っている方が使い勝手が良いが、それでも道具や工具を落として竹に傷がついてしまうと、我々が事故に遭ってしまうので、それは怖い。だから傷がついた足場の竹は、まとめ燃やす。乾いているからよく燃えるので、寒くなった時や夜の薪に使うと良い」

要するに、良く燃えるということ、燃えやすいということをよく知っているのです。その横でタバコを吸ったり、その吸殻を捨てたりしてしまうのですから、火事になってもおかしくはありません。正月などは、その竹の足場の横で爆竹を鳴らしたりするので、危ないとしか言いようがないのです。

私からすれば、「竹の足場」や「燃えやすい布」等よりも、問題なのは、「工事作業員のマナーや安全意識」であるということが言えます。どうも、彼らはあまり人の安全という事にはまったく興味がないという感じがあります。

上記の内容でわかるように「自分たちが怪我をするのは嫌」なのですが、上記の部屋の拡張公示で分かるように「そのあとで、使う利用者が事故に遭うのは運が悪い」という感覚があります。

そのうえ、その見えないところに関してはあまり関係がないということになります。外見だけ、要するに見えるところだけうまくきれいに仕上げれば、中身はあまり気にしないということになります。

もちろん日本人から見れば、それでも部屋の隅のほうなどは汚いままなのですが、なんとなく見た目が豪華ならばそれでよいという感覚が、彼らにはあるようなところがあります。

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