高市首相に文春砲が炸裂。早苗サイドから昨年だけでも5千万円もの「不自然なカネ」を受け取っていた“宗教団体”の実名

 

氷解する「5%の利回り」での契約が採択された謎

そして、この問題を「高市早苗大臣の関与」として厳しく追及したのが、当時の奈良県知事、荒井正吾氏でした。この年は4月に奈良県知事選があり、現職の荒井正吾氏は出馬する意向でした。しかし、この時点で78歳だった荒井氏に対して、自民党奈良県連会長の高市早苗氏は「高齢の荒井氏では日本維新の会の候補に勝てない」と判断し、荒井氏に「勇退」を進言したのです。

一方、当時の自民党の森山裕選対委員長は、荒井氏に「出馬したほうが良い」と進言し、自民党の重鎮の二階俊博氏も「がんばれ」と応援したのです。こうした経緯から、荒井氏は県知事選に出馬したのですが、奈良県連会長の高市早苗氏が、自身の総務大臣時代の秘書官だった平木省氏を自民党の新人候補として強引に擁立したことで、自民支持者の票は真っ二つに割れてしまったのです。

その結果、日本維新の会の山下真候補が当選し、日本維新の会は大阪以外の知事選で初めて勝利を収めたわけです。そして、前大阪市長の松井一郎氏は「自民党が割れた事による漁夫の利」とドヤ顔でツイートし、高市早苗氏は「県連会長でありながら保守分裂を招いて惨敗したA級戦犯」として自民党支持者からも激しく吊し上げられたのです。

そして、選挙戦で荒井正吾氏が追及していた「ゴミ処理施設建設を巡る高市大臣の関与疑惑」がクローズアップされることとなったのです。当時、荒井氏が指摘する疑惑を真っ向から否定したのが、組合の代表を務める天理市の並河健市長でしたが、並河市長は自身が天理教の「ようぼく(信者)」である上、県知事選では高市氏が擁立した平木省候補の後援会副会長を務めたほど、高市氏とベッタリの関係でした。

組合の古い議事録を見ると、並河市長は2015年6月の「全国市長会」で上京した際に、高市早苗大臣と奈良県選出の自民党参議院議員の堀井巌氏を訪問し、ゴミ処理施設への環境省の補助金に関する件を報告したと明記されています。この記述から、並河市長と高市首相はずっと以前から面識があったことが分かります。

2022年8月20日に行なわれたゴミ処理施設の起工式と安全祈願祭には、最前列に招待されていた高市氏の代わりに秘書が出席しましたが、こうした事実からも、この土地の賃貸契約の裏には、前奈良県知事の荒井正吾氏が指摘するように、高市首相の関与があったと考えるのが自然でしょう。

この「一般的には3.5%の利回りの土地を5割増しの5%で賃貸契約し、総額で土地代の3倍もの公金が天理教に支払われる」という通常では考えられない契約も、組合の代表を務める天理市の並河健市長も、自民党奈良県連会長を務める高市早苗大臣(当時)も、2人そろって天理教の「ようぼく」だったと知れば、すべてに合点が行きます。そして、高市首相の政治資金管理団体が、昨年1年だけで天理教系企業に約5,000万円も支出していた謎も氷解するのです。

最後に、あたしは決して「天理教」を批判するつもりはありません。しかし、自分の選挙区に100万人を超える信者を持つ宗教法人の本部があり、その宗教に対して自民党の県連会長が政治資金から莫大な支出を繰り返して来ただけでなく、その宗教に便宜を図ったかのような公共事業に関する契約が行なわれたことは事実なのです。そして、その中心人物が今では日本の首相に就任したのですから、この疑惑をこのまま「過去のこと」として見過ごすことなどできません。

(『きっこのメルマガ』2025年12月17日号より一部抜粋・文中敬称略)

★『きっこのメルマガ』を2025年12月中にお試し購読スタートすると、12月分の全コンテンツを無料(0円)でお読みいただけます。
¥550/月(税込)初月無料 毎月第1~第4水曜日配信

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

初月無料購読ですぐ読める! 12月配信済みバックナンバー

  • 第339号 第二の森友学園問題/長い長い谷の話/畳替/原チャリブルース(12/17)
  • 第338号 おにきりが食べられなくなる日/は?馬鹿らしい白樺派?/続・咳/きっこのオススメ私小説(12/10)
  • 第337号 高市発言の代償/は?馬鹿らしい白樺派?/咳/まぼろしの大穴馬券(12/3)

いますぐ初月無料購読!

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込550円)。

2025年11月配信分
  • 第336号 ミニムーンを捕まえろ!/ニベもない塩焼き天国/続々・河豚/猫見酒(11/26)
  • 第335号 高市内閣の支持率イリュージョン/心の魔法/続・河豚/BBAフェノメノンのダブルパンチ!(11/19)
  • 第334号 ザッカーバーグ氏の後ろメタい日々/きっこのガラパゴス度診断2025(特大号)/河豚(11/12)
  • 第333号 高市政権の煙たい話/押しても駄目なら引いてみな/銀杏散る/ブックレビュー(11/5)

2025年11月のバックナンバーを購入する

2025年10月配信分
  • 【号外】 きっこ、江戸の空を舞う(10/29)
  • 第332号 大谷翔平という異次元の感動/節約の掟/火恋し/中華の素のススメ(10/22)
  • 第331号 自民と公明の熟年離婚/ノーベル賞の秘密/牛膝/秋の改編大混乱!(10/15)
  • 第330号 麻生二人羽織内閣の誕生/シマコーダ・クニコーダ/穴惑/玉子そばの誘惑(10/8)
  • 第329号 ロバート・レッドフォードの遺言/日本語吹き替え版のススメ/吉行和子さんの俳句/仲良し三人娘(10/1)

2025年10月のバックナンバーを購入する

2025年9月配信分
  • 第328号 アンジーの溜息/ご注文はスマホで/続々・野分/からしと和がらし(9/24)
  • 第327号 火星に生命の痕跡?/ひとり暮らしという自由/続・野分/ネーミングライツの夕暮れ(9/17)
  • 第326号 国民軽視の自民党政治/あたしのなぎさ候補/野分/中村愛ちゃんのレコメンド(9/10)
  • 第325号 変態教師は去勢せよ!/きっこのシマシマ物語/続・蕎麦の花/フライパン長寿伝説(9/3)

2025年9月のバックナンバーを購入する

image by: 首相官邸

きっここの著者の記事一覧

「きっこのブログ」のメルマガ版です。ブログと同様に、政治や芸能から文学やお料理、流行やファッションから日々の出来事まで、多岐にわたって綴って行きますが、よりディープに攻めて行こうと思っています。

有料メルマガ好評配信中

    

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 きっこのメルマガ 』

【著者】 きっこ 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第1水曜日・第2水曜日・第3水曜日・第4水曜日予定

print
いま読まれてます

  • 高市首相に文春砲が炸裂。早苗サイドから昨年だけでも5千万円もの「不自然なカネ」を受け取っていた“宗教団体”の実名
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け