2.厚生年金額の変更
では次に厚生年金ですがこちらも同じように計算するのでしょうか。
まず、令和8年度は2.0%の伸びとなって、基礎年金の1.9%よりも少し多いです。
これはマクロ経済スライドの影響を厚生年金は3分の1に緩和するとされたためです(2025年6月改革法)。
とりあえず2030年までの措置。
そうするとマクロが0.2%÷3=0.06%となって、これを切り上げて0.1%とされました。
という事は賃金変動率2.1%ーマクロ0.1%=2.0%の厚生年金の伸びとなります。
さて、厚生年金の計算は今までの厚生年金の報酬記録と加入期間と乗率を用いて計算します。
乗率は平成15年3月までは1000分の7.125で、平成15年4月以降は1000分の5.481となっています(昭和21年4月2日以降生まれの人は)。
例えば今までの給与の平均報酬が20万円で昭和53年度の12ヶ月の記録しかないとします。
そうすると、老齢厚生年金は20万円(再評価済み)×7.125÷1000×12ヶ月=17,100円となります。
じゃあ、この17,100円という数字に1.020(2.0%のこと)をかけて17,442円と算出するのでしょうか。
これもちょっと計算に気をつける必要があって、どこに2.0%を用いるのかというと、報酬額に用います。
この20万円の部分ですね。
再評価済みとしていますが、これは昔の低い給与を今の賃金水準に直すという事を示しています。
例えば昔は5万円の月給与でも生活できましたが、今その金額もらっても生活は厳し過ぎますよね。
その低い給与のまま厚生年金を計算してしまうと年金額が下がってしまうので、今の賃金水準に直す「再評価」というものをやります。
例えば昭和53年度の再評価率は1.93ですが、5万円に1.93をかけると今の賃金水準は96,500円になります。
このような過去の報酬に今までの賃金変動率または物価をかけたりします。
※再評価率(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/kyotsu/nenkingaku/20150401-01.files/7_kounen.pdf
そうするとどうなるか。
昭和53年度の再評価率は1.93(令和7年度再評価率)なのでそれに1.020をかけますと、1.969(小数点3位未満四捨五入)となります。
これで改めて計算してみましょう。
昭和53年度の当時の給与が10万円だった人ので計算してみます。
・老齢厚生年金(報酬比例部分)→10万円×(令和7年度再評価率1.93×1.020=再評価率1.969)÷1000×7.125×12ヶ月=16,835円となります。
このように、厚生年金は過去の給与記録に物価変動率や賃金変動率をかけますので、単純に年金額に新しい変動率を用いるわけではありませんのでお気をつけください。
この記事の著者・hirokiさんのメルマガ









