再婚・出産禁止に「エビデンスはありません」
質疑応答がはじまると、東京新聞の望月衣塑子記者が、「女性天皇が8人10代いたが即位後に再婚しなかったのは、どうしてなのか」と質問した。すると、青山がまたヤバいことを言い出す。
「(血統が)母方に移らないように、女性天皇8人、いずれも即位されたあとは再婚していないし、御子は1人もいない。誰かに言われたという形跡はなくて、これはエビデンスはありません」
エビデンス、ないんかい!!
文献を当たってもそういった記述は見つけられなかったらしい。だが青山は、根拠がないと認めておきながら、必死で振り切っていく。
「恐らく、初代の推古天皇から、これは母方に移ったら神武天皇とは切れてしまうということを意識されたのであろうと思います」
意識されてるわけないやろが!!
実力で王として選ばれていった時代に、「神武天皇より続く万世一系の男系継承」などという意識があるわけない。青山は堂々と勝手な妄想を開陳しているだけなのだ。
根拠のないところに都合のよい妄想を積み重ねて、まことしやかに語ろうとする……脳内構造が『月刊ムー』的である。もはやオカルトの領域だ。
「そういう古代から続いてきた知恵というものを生かしたいと思うのが護る会であります」
史料も根拠もない、単なる「こうだったらいいのになあ」という自分の願望・妄想を、いきなり「古代から続いてきた知恵」と言い換えた青山。
さらに「論争の種になることをあえて申しますと」と前置きをして、ついに本音を漏らした。
「愛子内親王殿下がもし即位されたとすると、女性天皇としては9人目でいらっしゃいますから、日本の歴史となにも違うことはありませんが、じゃあ、古代のいわば知恵のように『ご成婚召されるな』『御子はもうけられません』とか、そんなこと言えるはずがないし、絶対に言ってはいけませんよね」
どこにも実在しない自分の妄想「女性天皇に対する結婚・出産の禁止」を、勝手に歴史的事実であったかのように語りはじめる青山。
「ご成婚召されるな」も「皇子はもうけられません」も、古代から誰も言っていない、記された形跡もない、青山繁晴本人の中から出てきた暴言である!
体裁を取り繕って「絶対に言ってはいけませんよね」などと付け加えているが、わざわざそれを強調するところに、愛子さまの尊厳を傷つけてでも、男性の血が尊ばれる男尊女卑の世界を護りたいという意図がはっきりしている。
これは愛子さまに対する暴言、DV以外の何物でもない。
さらに望月記者が「愛子天皇というのは決して正面から否定するものではないけど、その先にある未婚を強いらなきゃいけないとか、そういうことも含まれるんだというご意見なんですね?」と質問すると、青山は「そういうことも考えに立法府の人間は入れるべきでしょということです」と答えた。
絶対に言ってはいけない、と自分で言っておきながら、舌の根も乾かぬうちに、国会議員はそれを考えに入れるべきだと言うのだ。青山繁晴は、愛子さまへのDVを国会議員の常識にしようとしているのである。
トンデモ本「誰があなたを護るのか」
青山が望月記者に読んでほしいと勧めた本がある。青山繁晴原作、新田均監修の漫画本『誰があなたを護るのか——不安の時代の皇』だ。
『島耕作』のヒロカネプロダクションが作画しており、扶桑社の刊行だ。以前、『週刊SPA!』が『ゴーマニズム宣言』で青山を悪く描かれることを嫌がったという話を聞いた気がするが、理由のひとつはこの漫画だったのだろう。
主人公の女子高生がタイムスリップして、古代の女性天皇たちと会話するというストーリーなのだが、これがまたどうにもならない酷い内容だった。
女子高生が、なぜ即位後は再婚したり子供を生んだりしなかったのかと質問すると、推古天皇や皇極天皇、持統天皇、元明天皇、元正天皇などが次々と出てきて「私は中継ぎで即位しました」と自己紹介し、「母をたどると初代の神武天皇につながらない」「重要なことは摂政に任せた」などと説明しはじめるのだ。
さらに、「蘇我氏などの男性と再婚して子供を産めば、蘇我王朝になってしまうということを深いところでお考えになったのでは?」という推測に対して、こんなセリフが飛び出す。
推古天皇:「そうです、それは一番大切な原則でした。誰に相談しなくてもわかっておりました」 皇極天皇:「私もそうです」
証拠がないから、知る由もない「古代女帝の内心」に依拠しようとは!
さらに、愛子さまの話題に移ると、今度は孝謙天皇が出てきて、「その愛子内親王も即位されるとしたら、結婚はしないか、したとしても子供は産まないかという選択を余儀なくされることはないかしら?」「遠縁でもいいから初代の天皇につながる家の男子を探したら」などと語り出す。
古代女帝を利用してまで愛子さまを侮辱するとは、呪われるのではないか? あまりの酷さに閉口するしかない。
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