「北朝鮮必勝モデル」の誕生
2018年秋、トランプ一期目の副大統領ペンスさんの「反中演説」から「米中覇権戦争」がはじまった。
その後、中国、そして事実上の同盟国であるロシアは、北朝鮮をこっそり支援して守っているのです。
中露にとって北朝鮮は、「アメリカの侵略を止めてくれる【 緩衝国家 】」だからです。
こうして、【 北朝鮮成功モデル 】ができあがりました。
なんでしょうか?
【 核兵器を一発でも開発してしまえば勝ち 】
というのが、「北朝鮮モデル」です。
アメリカは、北朝鮮を攻撃できなかった。
他の国が核兵器を持っても、アメリカは攻撃できないでしょう。
とはいえ、極めて厳しい経済制裁を科されるでしょう。
でも、大丈夫。
中国、ロシアからの支援と交流で生き延びることができるのですから。
1、とにかく核兵器を保有してしまう
2、経済制裁は、中国ロシアとの交流で耐える
これが、【 北朝鮮必勝モデル 】なのです。
イランはなぜ核開発に舵を切ったか
さて、イランの「核兵器開発問題」がはじめて出てきたのは、2002年でした。
つまり、イラク戦争の前年です。
しかし、イランは、イラク戦争と独裁者フセインの末路を見て、核兵器開発をストップしました。
その後もブッシュ(子)政権は、非難をつづけていた。
ですが、実をいうと、アメリカも「イランは核兵器開発をしていない」ことを知っていたのです。
『毎日新聞』2007年12月4日付。
〈〈イラン核〉米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正
[ワシントン笠原敏彦]マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開発に関する最新の 機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公表し、イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させたとの分析結果を明らかにした。〉
さらに、『ロイター』2009年7月4日付。
〈イランが核開発目指している証拠ない=IAEA次期事務局長
[ウィーン 3日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥次期事務局長は3日、イランが核兵器開発能力の取得を目指していることを示す確固たる証拠はみられないとの見解を示した。
ロイターに対して述べた。
天野氏は、イランが核兵器開発能力を持とうとしていると確信しているかとの問いに対し「IAEAの公的文書にはいかなる証拠もみられない」と答えた。〉
ここからわかることは何でしょうか?
ブッシュ政権が2000年代、「イランは核兵器保有を目指している!」と非難していたのは、「ウソだった」ということです。
それで、リベラルなオバマが2015年7月、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国 を巻き込んで「イラン核合意」を成立させました。
これで、イランは制裁が解除され、石油が輸出できるようになった。
イランは、そもそも核兵器を開発する気がなかったので、大いに喜びました。
ところが2018年5月、トランプが、イラン核合意から一方的に離脱。
2018年8月、イラン制裁を復活させます。
これは、何でしょうか?
イスラエルは、「イランが核兵器開発を目指している」と確信している。
トランプは、親イスラエルなので、核合意から離脱したのです。
再び苦しくなったイラン。
そもそも核兵器を開発する気はなかったのですが、追い詰められ、ある時点で気がかわったようです。
徐々にウラン濃縮度をあげていきました。
ここから、2023年のお話。
『時事』2023年3月5日。
<イランを訪問した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、ウィーンの空港で記者会見し、イラン中部フォルドゥの核施設で核兵器級に近い濃縮度83.7%のウラン粒子が検出された問題について「その水準の濃縮ウランは蓄積されていない」と述べた。>
「核兵器開発には濃縮度90%以上が必要」とされている。
イランは2023年3月時点で、濃縮度を83%まで上げていた。
つまり、2023年内に核兵器を保有する可能性が高くなっていました。
そして、イランは2023年9月、IAEAの査察を拒否します。
日経新聞2023年9月17日付。
<国際原子力機関(IAEA)は16日の声明で、イランからIAEAの一部査察官の受け入れを拒否すると通告があったことを明らかにした。
査察官はウラン濃縮などを検証している。
グロッシ事務局長は「強く非難する」と述べ、査察に深刻な影響が出るとして再考を求めた。
国際社会の懸念が一層強まるのは必至だ。>
これは、普通に考えて「いよいよ核兵器保有が近づいている。そのことがバレないようにIAEAの査察を拒否している」と考えられるでしょう。
というわけで、【 イランは核兵器保有を目指している 】ことは、間違いありません。
ブッシュ(子)が、「フセインは大量破壊兵器を保有している」といったのは、【 ウソ 】でした。
一方、トランプが、「イランは核兵器保有を目指している」といったのは、【 本当 】です。
(@@イランが、核兵器保有を目指し始めたのは、トランプが核合意から一方的に離脱し、制裁を復活させたからですが・・・)
さて、2025年6月、トランプ・アメリカは、イランの核施設を攻撃しました。
しかし、すべてを破壊することはできなかった。
国際原子力機関(IAEA)は、「イランは、ナタンズ、イスファハンの地下施設にいぜんとして60%濃縮ウラン440キロと20%濃縮ウラン200キロ近くを保有している」と発表しています。
そして、トランプさんは5月11日、戦闘終結にむけたアメリカの提案に対するイランの回答について、
【 核兵器を保有しないことを約束しなかった 】
「ばかげたもの」
「受け入れられない」
と非難しました。
これは、まさに【 イラン戦争の本質 】を示しているのです。
歴史を振り返ってみると、アメリカにも、責任があることがわかります。
・ブッシュ(子)は、ウソの理由で、国際法違反のイラク戦争を開始し、独裁者フセインを逮捕して、死刑にした
・アメリカは、2003年に核兵器を放棄したリビアのカダフィを、8年後の2011年に殺した
・アメリカは、北朝鮮の核兵器開発を止めることができず、核兵器保有を許してしまった
・トランプは、「イラン核合意」から一方的に離脱し、制裁を復活させることで、イランに【核兵器保有の決意】をさせてしまった
アメリカは、実に罪深い。
しかし、イランが現在、【 核兵器保有の意志を持っている 】ことは間違いない。
そして、イランが核兵器を保有したら、国際社会が困るというのは、その通りなのです。









