文科省の改悪ガイドラインで「隠ぺい委員会」激増の闇。いじめ重大事態の調査現場で起きている異常事態

 

いじめ対策は調査に偏重しているわけではない

現場にいて、被害側の支援をしている誰もが言うと断言できるのは、学校や教育委員会が行ういじめ対策が調査に偏っているのではなく、調査自体が軽視されているという現実だ。

例えば、一応の第三者が関与していた重大事態いじめの調査は、2022年度(令和4年度)重大事態認定:923件のうち、外部有識者による調査組織は約207件(全体の22.4%)、2023年度(令和5年度)重大事態認定:1,306件のうち、外部有識者による調査組織は約380件(全体の29.1%)と言われている。つまり、第三者委員会とメディアに報じられる委員会は、実質上の第三者はないわけだ。 また、ほぼ全ての調査報告書には共通して書かれる事柄がある。

それは、「学校や教育委員会、私学であれば学校と学校法人が、いじめ防止対策推進法を理解していなかった。」である。

平成30年の記録しかないが、総務省はこうした事象を調べて文科省に異例の勧告をしている。その勧告によれば、学校側の対応の不備がおよそ64%あり、遅滞していると評価されるものは35%あるとしており、いじめ防止対策推進法を理解していないという問題提起を行っている。

法理解はずいぶん進んだという報道もあるが、その先にあったのはテクニカルな隠ぺいとガイドラインを改悪させるというゴールポストを動かすという暴挙であったと言えるだろう。

調査組織の形成が困難というのは、専門家を雇うにしても彼ら業界の相場を無視し、職能団体すら拒否したいというほどの不適正な依頼を繰り返して行っているという報酬等の自治体の勝手なルールの問題であり、これについてはいじめ防止対策推進法においては予算をしっかり用意しようとなっているから、法令違反のまま運用している教育行政サイドの問題に他ならないし、そもそもで予防教育が発生数からして効果が無いことは明らかであるのに、それをほとんど変えていないからではないのか。

確かに調査をしても変わらないし、提言を受けても変わらない。重大事態の発生数を隠したり、調査報告書の公開もせず、所見書も公開しなかったり、当事者に調査報告書を開示せずに情報開示請求をしなければ開示しないという自治体もあるのが現実なのだ。

そもそも重大事態いじめの調査は、実態解明をする事と再発防止をする事が主目的である。再発防止策が出てもこれをしないというならば、確かに調査は無駄という結果になるが、この無駄を作っているのは再発防止策を実施しない教育側にあるはずだ。

正す対応策はほとんどないが

しかし、現状の調査に偏重しているいじめ対策という誤った常識の方向性を正すには、相当なエネルギーが必要なのだ。

まずは、数多の被害当事者、その保護者、被害団体が広く手を結び、計画的なロビイングをすべきだろう。確かにセンセーショナルないじめ被害事件は社会問題化しやすく、それにより国が動くということもあろうが、それを待っているわけにはいかない。犠牲者を増やすべきではないのだ。

私は現在、被害当事者同士を個別に繋いだり、被害当事者の会に案内をする活動を積極的に始めている。これにより、すでに教育委員会と対応中のいじめ被害側とこれから対応を始めるいじめ被害側が繋がることで、新たな発見があったり、隠ぺいの第一歩的な初見殺しの隠ぺい工作を見破るというケースが増え始めている。

だが、これは針の穴をあけた程度に過ぎない。

今後、いじめ対策、特に重大事態いじめの調査や対策はより後退する可能性が高いと私は予想する。被害者やその家族のために私は今後も奔走するが、それは一馬力が基礎に過ぎない。

現実問題として、これはまた後日取り上げるが(現在調査対策中)新たな日本でよく起きている問題が発生しているのだからーーー(『伝説の探偵』2026年5月9日号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方はぜひご登録ください。初月無料でお読みいただけます)

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