日本にとっては大きな岐路に。トランプと習近平“会談成功”の先に見えてきた「AI米中同盟」という新時代

 

会談で提案された「米中の共存と競争」という枠組み

さて、その「OpenAI」は少し前に「ChatGPT5.5」を発表しています。これには色々なバージョンがあるのですが、セキュリティの脆弱性をサーチする機能に特化した版もあります。その性能はライバルであるAnthropic社の「Mythos」に迫るもののようです。以前、Mythosで右往左往していても、どんどんライバルが出てくると申し上げたのですが、既に現実にそうなってきています。

いずれにしても、このAIにおける米中の共存と競争という新たな関係性を定義したのが、今回の米中会談の最大の影響になるかもしれません。中国では特にアリババ、テンセントといった巨大企業集団がAIへの投資を加速しつつあります。権威主義国家では、知的活動そのものに関わるAIはどうしても国策に深く絡んで来そうですが、今回の流れはそれでも米中が共存しつつ競争という枠組みが提案されたのです。これが回りだせば双方にもメリットが出てくる、という認識がその前提になっています。

こうした問題は、やがてクワンタム・コンピュータが本格的に実用化した場合には、また次元の違う話になると思います。ですが、その前の段階では、今のようにAIを開発し続けるのであれば、やがて電力や水資源、排熱などの問題で、物理的な限界が来てしまいます。そうならないように、フルセットで両国が競うのではなく、お互いに先へ進んだ部分を是々非々で共有するという発想は必要かもしれません。

とりあえず、米国側としてはAi3社の大型上場を成功させたいし、中国はこれによる米側の開発加速に「絡む」ことで遅れを回避したいのでしょう。仮にそこまで踏み込んだ、AI米中同盟というのが、見えてくるようですと日本にとっては大きな岐路となるに違いありません。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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