高市が雇った「注意力操作犯」の手口
邪悪な「注意力操作犯」の最近の一例は、文春砲が暴き続けている高市早苗首相の事務所によるネット上のネガティブ・キャンペーン作戦である。
高市事務所からの依頼を受けた松井健という人物が語っているところでは(週刊文春6月4日号)、
▼まず大量のスマホを用意した。20台ほどだった。
▼そして1つのスマホにつき、Gmailのアカウントを3つずつ作る。
▼そのアカウントと連携する形でX、TikTok、YouTube、InstagramといったSNSにそれぞれまたアカウントを作る。
▼そこに、動画をどんどん投稿していく。スマホ20台×メルアド3つ×SNSアカウント4つで単純計算で投稿先は240になる。
▼動画は1分程度のショート動画で、それを生成するAIソフトの自作、ほぼ自動で動画を大量生産した。……
この方法で、自民党総裁選の場合は、事前の調査でトップを走っていた小泉進次郎にネガキャンを浴びせ、また2月総選挙では「中道」の大物議員をターゲットにして実際に次々に落選させた。
明治大学サイバーセキュリティ研究所の齋藤孝道教授が文春に語っているところでは、
▼SNSへの介入にAIを用いるのは、国内外で一般的になりつつある。AIスロップと呼ばれる「質より量」との方針も確かに有効だろう。大量に情報が出回ることで、まずは空気感が醸成されるという効果がある。
▼さらに、大量の情報を浴びた受け取り手は、真実かどうかを逐一判断することに疲れてしまう。判断力が低下する「認知疲労」を引き起こすことがある。
▼そして徐々に、あふれる情報を批判的な目で見ることができなくなる。高度な手法と言える。……
アタリの言う、上行と下行の2つの注意力のバランスを崩していく工学的な手法の最先端の具体例がこれである。ネットに繋がっているのが当たり前と思っている人は、常にこのような邪悪な攻撃に身を晒していて、脳ミソが溶けて耳や鼻から漏れてしまう危険に直面しているのだということの自覚を持つ必要がある。
そこから逃れる方法はあるのかについては、私は悲観的で、必要最低限、どうしてもという時以外、SNSの類は一切開かないことにしている。もちろん、主だったSNSは始まったらすぐにアクセスしてどんなものかを体験することにしているので、それぞれのアカウントは持ってはいるが、日常的には使わない。
たまに「高野さん、〇〇でこんなこと言われてますよ」と知らせてくれる人がいたりするが、「あ、私は〇〇は見ないので、関係ないです」と言って、本当に放ったらかしておくが、それで何か支障が生じたことは一度もないのである。
(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2026年6月1日号より一部抜粋・文中敬称略。ご興味をお持ちの方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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