習近平、プーチン、金正恩の揃い踏みは「序章」だったのか?中国国家主席の「訪朝」が作り出す国際社会の“新たな物語”

 

「北朝鮮拉致問題」を抱えた日本外交の厳しい局面

さらに朝鮮半島の安全保障を考える上で気になるのは7月27日という朝鮮戦争休戦記念日だ。

これは1953年7月27日に署名された朝鮮戦争休戦協定の日で、同協定には「最終的な平和解決が成立するまで朝鮮における戦争行為とあらゆる武力行使の完全な停止を保証する」と明記されており、この署名の当事者は国連軍代表である米国と、中朝軍である中国と北朝鮮の3者。

韓国は当事者ではない。

そのため、韓国の李在明大統領は1月に訪中した際に、習主席に南北の仲介役を求めたことが明らかになっているが、韓国も地域の安定のために中国の存在は欠かせないとの認識の上、現実的な外交を展開している。

東アジアのパワーゲームが展開される中である。

北朝鮮の拉致問題を解決したい日本にとっては厳しい局面だ。独裁を強め、盤石化している北朝鮮との対話は難しい。

国際社会はドキュメンタリー映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』(2024年日本公開)で記録された脱北者一家の過酷な自由への逃走の記録を目にし、不自由な国への介入への無力さを痛感する。

この映画は脱北者支援の韓国人牧師とブローカーが脱北した一家5人を中朝国境からラオス、タイ、韓国まで導く過程を、川を渡り、森の中をさまよい、逃避する映像とともに語られる。

脱出に成功した一家は安堵しながらも、おばあさんがいまだに「金正恩様は若くて立派に」と話し、周辺は「もう嘘を言わなくていいんだよ」と説いても、同じことを繰り返す。

国の指導者が神格化された社会のリーダーと向き合うために、東アジアの国政政治構造が変わる中、理想に向けた外交を行うのは極めて難しい局面である。

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image by: 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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