「ジャングリア」が示す投資判断の甘さ
なお、冒頭の写真は、沖縄県のテーマパーク「Junglia(ジャングリア)」ですが、同テーマパークを企画・運営する株式会社刀には80億円を出資しています。私自身、沖縄はよく訪れますし、名護方面など北部に行くこともしばしばありますが、私はこの話を初めて知った時、直感的に、到底成功するはずがないと思いました。沖縄の歴史の重み、沖縄の自然の魅力、交通の便など、さまざまな観点から考えて、このような安っぽい人工テーマパークが成功する立地ではないと感じたからです。実際、宣伝内容と現実の乖離も大きく、開園直後から来場者は伸び悩んでいます。
刀の創業者森岡毅氏は、セルフブランディングの達人で、大阪のユニバーサルスタジオを立て直した功労者ということになっていますが、コンサル先から契約を打ち切られてトラブルになったり、自前のテーマパーク第1号として開業したお台場のテーマパークが僅か2年で廃業に追い込まれたりと、最近では悪評ばかりが目立ちます。この一案件だけでも、クールジャパン機構の投資判断の甘さがよくわかるのではないかと思います。
誰が責任を取るのか
同機構は、かねてよりほとんどの出資先の業績が振るわず、国費の無駄遣いの典型として厳しい批判を浴びてきました。今回の廃止に向けた動きは、遅きに失した感もありますが、公的資金の使い道として、同機構の投資判断やリスク管理が適切だったかどうかの検証や責任の追及は今後どうなるのでしょうか。過去には、往々にしてこの手の国費の無駄遣いは曖昧にされてきましたが、今回も、他の官民ファンドとの統廃合などで有耶無耶にされてしまうのではないでしょうか。どのような決着になるのかについて、引き続き注視していきたいと思います。
※ 本記事は『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中 』2026年6月19日号の一部抜粋です。このほか、「今週のメインコラム」や「読者の質問に答えます!」、「スタッフ“イギー”しかのつぶやき」など、レギュラーコーナーも充実。この機会にぜひご登録をご検討ください。
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