高市早苗は支持率のために日本を壊す。食料品消費税1%の甘い誘惑に隠された2年後の大増税

 

2年後、大増税の痛みがやってくる

第1に、税率8%を1%まで引き下げても、2年後に戻すなら、家計は逆回転して大幅増税となってしまう。

消費税は、1989年に3%からはじまり、5%(1997年)、8%(2014年)と、25年かけて段階的に引き上げ、直近2019年の10%への増税時には、わざわざ軽減税率というややこしい仕組みまで持ち込んで、「食料品は8%に留め置く」という経緯をたどってきた。

それをいきなり逆回転させる上に、2年後にはドカンと元に戻すのだ。

しかも、戻す位置は「減税を開始する2027年の現在地」ではないということを、よく考えておかなければならない。

高市は、減税という快感だけを見せて国民を誘惑しているが、そこには、増税という苦痛が必ずセットになっている。

残念ながら、日本の2年後は、今よりもさらに物価が上昇しているだろうし、住宅ローンをはじめとする家計の借入金利も上昇しているだろう。

現在の物価高は、円安による輸入物価の上昇や、戦争による一時的な燃料・原材料高騰だけが原因ではない。 そもそも日本が人手不足に陥っていて、物やサービスの単価を引き上げなければ、収益を賄うことも事業を継続することもできなくなっているのだ。

2029年には、今よりもさらに生活費の重い世界になっている。 その時に、8%もの大増税を国民が受け入れるのだろうか?

高市は、2年後について、「私が責任を持ち、確実に税率を戻す」と言っているが、2年後も首相をしている保証などない。 たとえ首相だったとしても、目先の人気に依存した政権が、その時の国民を納得させられるとは思えない。

これのどこが「物価高対策」なのだろうか。

この先に待っているのは、政治も社会も大混乱である。

政策がフランケンシュタイン

第2に、この減税策は、発案された瞬間から各業界への副作用が懸念されており、そのための支援策が次々と浮上している。

外食産業が代表例だ。

スーパーやコンビニ、テイクアウトなどは税率1%だが、レストランや定食屋、居酒屋など店内飲食は10%。 これでは「外食はやめてスーパーの総菜を買って帰ろう」「店で食べるのはコスパが悪い」と考える人が増えても不思議ではない。 当然、飲食店には家賃や光熱費など維持費がかかり、売り上げが減るなら人も雇えなくなる。

農家への副作用も大きい。

日本の農家は、年間売上1000万円以下の免税事業者が多く、消費税率の引き下げがかえって打撃になってしまうという逆転現象が予想されているのだ。

共同通信の報じた記事によれば、食料品のみの減税が行われた場合、全国80万近い中小農家の手取りが、年間3千億円以上減る恐れがあるという。

外食産業から客足が遠のけば、それもまた農家に直接影響するだろう。

そもそも高齢者が細々と経営しているケースも多く、これを機に離農が進む可能性もあるのだ。

外食産業や農業者からの反発を受けて、高市は「資金繰りなどのための予算措置を検討する」「今後の予算編成プロセスで支援策を具体化していく」など発言している。 コロナの時の「Go To Eatキャンペーン」を打つのか、直接補助金を投入するのか、それは不明なままだが、いずれにしろ、それは「減税政策をやるために税金を投入する」という話である。

無理のある政策を強行した結果、次々と新たな問題が生まれる。 その問題に対処するために、また新たな予算や制度をつぎ足す……。

高市の政治は、その場しのぎの連続で、つぎはぎだらけのフランケンシュタインである。

泉美木蘭さんも寄稿する『小林よしのりライジング』

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