子供に「知らない人からあいさつされたら逃げるように教えている」という親の主張で、マンション内でのあいさつが禁止になったという話題を「『挨拶されたら逃げろ』と教える親から透けて見えた『国の思惑』」という記事で取り上げたところ、大きな反響をよびました。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、マンション事情に精通する著者の廣田信子さんが「マンションに住む親」の目線から、この件に関しての分析を試みています。
マンション内で子供にはあいさつをしない?
こんにちは! 廣田信子です。
2016年11月4日付の神戸新聞夕刊に、「理解に苦しんでいます」という管理組合の理事さんからの投書が載って、話題になっています。
これが日本の最先端の近所付き合いです。
(11/4付神戸新聞夕刊より) pic.twitter.com/EltJsgynaR— みたとわ (@mitatowa) 2016年11月4日
総会で小学生の子供を持つ親から、「知らない人にあいさつされたら逃げるように教えているので、マンション内ではあいさつをしないように決めてください。子供には、誰がマンションの人かわからないので、教育上困ります」という趣旨の話があり、「あいさつをしてもあいさつが返ってこなくて気分が悪かったからお互いやめましょう」という趣旨の年配の方からの提案があり、あいさつをしないようにしようという告知を出すことが総会で決まったというのです。投稿者は、世の中変わった、理解に苦しんでいるというものです。これに対しては、「あいさつ」は防犯上もたいせつなのに、「あいさつ」しないように決めるって、それはおかしいよね…という論調が多かったです。
「あいさつ」は大事だと日頃言っている私たちにとっても悩ましい投稿でしたが、子供を持つお母さんたちに聞くと、そうも言えない現状があります。知らない人にあいさつしない、されても返さない声をかけられたら逃げるように教えている…というのは、今、学校でも、親でも決して珍しいことではないのです。最近の子供を狙った異常者の犯罪傾向を見ると、子供を守るためには仕方がないというのです。