日本では古くから、数字以外にも年齢・年代を表す言葉が使われてきました。たとえば「中年」というのもその一つですが、具体的に何歳から何歳までを指すのかご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン』では、「人生の節目を伝える古人からのメッセージ」とも思えてしまう、味わい深いさまざまな年齢の異称を紹介しています。
中年は何歳までか?
中年とは何歳から何歳までを言うのでしょうか?
大辞林 第二版によると「青年と老年の間の年頃。40歳前後から50歳代後半あたりまで」とあります。
では、壮年は?
これは諸説あり、血気盛んで働き盛りの時期として30歳くらいの年齢を挙げる説、もう少し年齢重ねた40代から50代を指す説、もっと広い意味で成年に達してから老年になるまでの間を示す説、といろいろ。中年も壮年も結局、似たようなものなのですね。
「三十にして立つ。四十にして惑はず。五十にして天命を知る」でおなじみの論語の一節。ここでは、30歳を「而立(じりつ)」とし、学問などの基礎が備わり、独り立ちができるようになる年齢として表されています。
人生の節目を示す年齢の異称
ちなみに、40歳は狭い見方にとらわれず心の迷いがなくなる年齢として「不惑」、50歳は天が自分自身に与えた使命を自覚する年齢として「知命」という言葉で表されています。
年齢の異称としてはほかにも、
- 20歳=弱冠
中国・周代には、男子は20歳で冠を付けて成人(元服)したことからくる異称。転じて、年齢が若いことを指す。
- 60歳=還暦
その人が生まれた年の干支がまた巡ってくる満60歳(数えで61歳)を指す異称。長寿を神に感謝し、祝いの行事を行う風習も。「本卦還り(ほんけがえり)」とも言われる。
新聞表記では、日時、年齢、金額、数量など、数字の表記には原則として洋数字を使うことになっています。一方で、日本では、年齢について古来から伝わる異称もあります。人生の節目を伝える古人からのメッセージのようで興味深いですね。
<追記>
「中年」は、何歳から何歳までの人を指すことばなのでしょうか。という問いにネットでアンケートを取り、平均値を出したデータを見つけました。NHK放送文化研究所アンケートの結果はこちら。
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