河井案里容疑者の陣営による選挙違反事件で、中国新聞は25日、逮捕された夫で元法相の河井克行容疑者が、「地方議員らに金を渡す際、一部に『安倍さんから』として安倍晋三首相の名前を出していたことが24日、分かった」と報じている。広島県府中町の繁政(しげまさ)秀子町議(78)が証言したという。
克行容疑者「安倍さんから」と30万円 広島・府中町議証言 https://t.co/l7Zy8EBys2
— 中国新聞 (@ChugokuShimbun) June 24, 2020
「安倍さんから」として現金を渡したと町議が証言
繁政町議は案里容疑者の後援会長を務めた人物で、昨年7月の参院選広島選挙区で初当選した案里容疑者を後押ししていた。克行容疑者が「安倍さんから」と現金を渡した事実は定かではないが、繁政町議の証言が本当であれば、政界を揺るがしかねないことになりそうだ。
河井夫妻は広島県内の地元議員や首長、後援会関係者ら94人に計約2570万円を渡したとされており、その大半は克行容疑者が配ったとみられている。
朝日新聞は25日、「計約2570万円のうち、7割にあたる約1810万円が自民党系の地元政治家42人への提供だったことが東京地検特捜部の調べでわかった」としていて、「残りは後援会関係者46人に約390万円、選挙スタッフ6人に約370万円が渡っていた」と報じている。
河井夫妻、政治家42人に1810万円 買収容疑の全容 https://t.co/1pUNSquYC2
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) June 24, 2020
自民党本部が案里容疑者側に提供した1億5千万円もの選挙資金。克行容疑者は現金を配ったことに対して、陣中見舞いや当選祝いで、政治活動の一環にすぎないと強調。18日の逮捕後も、東京地検特捜部の調べに「不正な行為はしていない」と、一貫して容疑を否認している。
広島から始まり出した政界の混乱
河井夫妻による買収事件で、地元広島の政界に混乱が起き始めている。三原市の天満祥典市長は、市議会議長に30日付で辞職する意向を伝えた。天満市長は克行容疑者が現金を渡したとされる94人の中に含まれているとみられるが、これまで現金授受を否定していた。
一方、安芸高田市の児玉浩市長は24日、河井夫妻側から60万円を受け取ったことを認めて謝罪。今後、河井夫妻の調べが進むにつれ、現金授受を認める地方議員や首長は増えるとみられ、広島の政界で辞任ドミノが続く可能性がありそうだ。
徐々に明らかになってきた買収容疑の全容。果たして安倍首相の関与はあったのか、東京地検特捜部の捜査に注目が集まっている。
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