学力を上げるためには鍛えること必須と言われるのが、「ワーキングメモリー」。その訓練法についてはついつい大げさに考えてしまいがちですが、驚くほど簡単に、しかも楽しみながら鍛えることが可能なんだそうです。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、「間違い探し」がワーキングメモリーの鍛錬に効果があるとして、そのメカニズムと具体的導入法を紹介しています。
間違い探しでワーキングメモリーを鍛える
テレビで見たのですが、あるデイサービスでお年寄りの認知症の予防と改善のために「間違い探し」を取り入れていました。間違い探しとは、ほとんど同じ2つの絵を見比べて違っているところを探し当てるゲームです。
これは子どもたちの能力を高めるためにも大いに役立ちます。例えば、識別力、空間認識力、集中力などです。また、脳科学でいうところのワーキングメモリーを鍛える上でも非常に効果的です。
ワーキングメモリーとは、行動や学習に必要な複数の情報を、頭の中に一時的に留めながら処理する能力のことです。会話、作業、読み書き、計算など、日常生活の行動や学習の全てにおいて欠くことのできない能力です。
この能力が高いほど複雑で高度な思考や行動が可能になります。ですから、学力を上げるためにはワーキングメモリーを鍛える必要があるのです。
間違い探しは一見ただの遊びで、勉強に関係がないように見えます。でも、実は勉強に必須なワーキングメモリーを楽しみながら鍛えることができるのです。
私は教室の学級文庫として間違い探しの本を何冊か置いていました。子どもたちの様子を見ていると、1人で黙々と解く子もいましたが、2~3人で楽しそうにわいわい盛り上がりながら解く子たちもいました。
先に間違いを見つけた子が、「右上に1つあるよ」などと友達にヒントを出す姿もよく見られました。
転校してきたばかりの子が、その輪の中に入って楽しそうにしている様子を見たこともあります。間違い探しには、触れ合いとコミュニケーションに役立つという面もあるのです。
というわけで、親子でやれば親子の触れ合いができますし、学研教室においておけば友達や先生と触れ合いながらワーキングメモリーを鍛えることができます。
初出『Smile』(学研エデュケーショナル)
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