ロシア側は強く否定しているものの、さまざまな状況証拠からまことしやかに囁かれるプーチン大統領の健康不安説。ロシア国内ではすでに具体的な後継者名も取り沙汰されていると伝えられています。そんな中からある2人を「有力候補」として挙げるのは、国際関係ジャーナリストで28年のロシア滞在歴を持つ北野幸伯さん。北野さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で今回、プーチン大統領が自ら身を引き院政を敷く場合と、在任中に亡くなった場合とで変わってくる後継者名と、彼らのバックグラウンドを紹介しています。
プーチンの後継者
ウクライナ戦争がつづいています。もうすぐ4か月。ロシア国内では、何が起こっているのでしょうか?
反プーチン勢力内でもっとも話題になっているのは、「プーチンの健康問題」です。プーチンは、
- ガン(喉頭がん、すい臓がん、血液のがん)
- パーキンソン病
- パラノイア
などを患っており、肉体も精神もボロボロだとか。こう書くと、「プーチンが死んで戦争は終わるのですね!」と思いがち。プーチンが病気なのは間違いないですが、「だからすぐ死ぬ」という話ではありません。がんでも、治療して治ったり、かなり長生きする人もいます。
ところで、最近話題になったのは、プーチンが毎年恒例の「プーチン・ホットライン」を延期したことです。これは、プーチンが国民からの質問に、4時間ぶっ通しで答える生番組。「延期したのは、病状が悪化して、4時間生放送には耐えられないから」と、反プーチン勢力の誰もが考えています。実際その可能性はあります。そして、「後継者」の話もぼちぼち出始めています。候補に挙がっているのは、
- メドベージェフ前大統領、前首相
- キリエンコ元首相
- ミシュスティン首相
- ソビャーニンモスクワ知事
- ドミトリー・パトルシェフ農業大臣
- ドミトリー・コバリョフ大統領府局長
などです。
私は、この中で
- ミシュスティン首相
- ドミトリー・パトルシェフ農業大臣
の二人が有力なのかなと思っています。
もちろん、はっきりはわかりません。そもそもプーチン自身が決めていない可能性も高いのですから。