売上も利益も好調で給料もそれほど悪くなくても、残業が多すぎては従業員の定着は望めません。残業が月100時間を超えていて離職者が多く、採用難となった和食居酒屋が取り組んだ残業時間55時間圧縮の道のりを教えてくれるのは、メルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』著者で、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんです。今回ここでは、営業時間の見直し方から締め作業の短縮策まで、1日1.5時間、月39時間削減した方法を抜き出して紹介します。
繁盛店ながら残業時間100時間超で離職多数・採用難だった企業が45時間以内までに圧縮する為にやった事
平成時代の超繁盛和食・居酒屋業態。これは中々にハードな環境も多いですよね。
- 職人の属人性が多いので業務分担できない
- アイテム数が多く仕込みが多い
- ランチもディナーもやるので休めない
- 中堅企業になる事で間接業務も多数
- お得に売ることを最優先にしてきた
などなど。
今回テーマのご支援先も、
- 1店舗辺り坪50万円以上
- 中心店舗は月1,000万円/店
収益性の観点では非常に効率的でした。
しかし…。月4日休に残業時間100時間超。
- 大量にやめていく中堅社員
- 新入社員は入ってもすぐに辞める
- 残るのは年齢も重ねたベテラン社員だけ
これで本当に事業を継続できるのか。この壁に直面しました。
もちろん、継続できる訳がありません。そのため、社内ホワイト化計画を実施。今は36協定のギリギリ範囲内なので完璧!とは言えませんが大きく前進。人の定着率もやっと上がりました。この辺りの取り組みを見ていこうと思います。
Step0)前提条件
36協定で45時間以上の労働が許されるのは年間で6回までになります。そのため、通常期でまずは45時間以内。ここが最低限クリアすべき目標でした。
26日出勤で残業100時間overという事は、1日4時間ずつ残業しているという事。
出勤:09:30
昼 :11:00-15:00
休憩:15:00-17:00
夜 :17:00-23:30
拘束:14時間
休憩:2時間
労働:12時間(残業4時間)
日々このような状況でした。
ここからの削減としては、
月間削減時間:55時間=100時間-45時間
日別削減時間:2.2時間=55時間÷26日営業
ここを考えていく事になりました。
Step1)夜の退勤毎日1時間の改善
退勤時間23時半→22時半
月別削減時間:26時間=1時間×26日
日別削減時間:1h
<従来>
LO :22時(ドリンク)
閉店:22時半
退勤:23時半
<改善>
LO :21時半(ドリンク)
閉店:22時
退勤:22時半
シンプルにラストオーダーを早めました。生活様式の変化から遅がけの売上は少なく、時間帯別収益を考えると微妙という判断に。また、閉店後も無駄な締め作業が多かったので徹底的に削減しました。
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