自民・高市政権「消費税12%論」の噂は何を意味するのか?選挙後に浮上すること間違いない“本当の議論”とは

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「チーム未来」以外のすべての政党が減税を訴えている裏で、ネット上に「消費税12%論」が浮上するという、ある意味「特殊」とも取れる衆院選。識者はこの選挙をどのように見ているのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では作家で米国在住の冷泉彰彦さんが、丸川珠代氏の発言や裏金問題を入口に、組織票や投票率、選挙区事情が絡み合う「選挙のメカニズム」を分析。その上で、「消費税12%論」が示唆する「選挙後の政治」の本当の争点と、政権が直面する避けられない制約について考察しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:選挙の裏にあるメカニズムを考える

丸川珠代、消費税12%論、中国の権力闘争。選挙の裏にあるメカニズムを考える

自民党の丸川珠代氏と言えば、長い間(当選3回)参院東京の議席を守っていたわけですが、裏金問題の中で衆院鞍替えを決行して東京7区で落選。立憲の松尾明宏、維新の小野泰輔との3どもえの激戦に敗北しての結果でした。今回衆院選では、再度同じ東京7区に挑戦していますが、同じような激戦になっています。ちなみに、現職の松尾には公明票がプラス、維新は候補が渡辺泰之に変わっています。

その一方で丸川氏に関しては、どういうわけか清和会の裏金問題の中で、かなり少額ではあるものの(800万円程度)取り調べの対象となり、不起訴とはなりましたが世論には「裏金議員」として記憶されることとなりました。ところで、維新とは提携しているものの、比例での集票という動機もあって自民と対抗して小選挙区にも候補を立てられているわけです。

本人に対して同情的な見方をするのであれば、タレント議員として華々しく集票した過去があるということは、自民党の非タレント候補の票も奪ったということになります。ですから、組織の論理として組織票の配分を受ける可能性は低くなります。タレントとしての知名度は年々低下して行きますから、選挙としては徐々にキツくなります。丸川氏として、五輪関係に突っ込んだり、清和会に入ったり、色々と「あがく」必要があったのはそうした事情もあると思います。

華やかな女性政治家の場合、その華やかさや知名度を持たない非タレント候補たちからは「絶対に組織票を渡さない」という怨念にも似た仕打ちをされている可能性はあります。勿論そう簡単に表沙汰になる話ではありませんが、そうした傾向はあると思います。しかも、丸川氏としては「五輪をやってしまった」という負の経歴まで背負っているのですから危機感は相当なものがあると思います。

この点では、維新の渡辺候補も五輪に関係していますから同じではありますが、前回小選挙区で勝った現職の松尾候補(中道)にしてみれば、ライバルの2人とも五輪関与の前科があるのは好都合かもしれません。ちなみに、この東京7区は、港区と渋谷区で、夜間人口は50万、有権者は40万となっています。

丸川氏については、今回総選挙の第一声で「外国人が生活のエリアまで入ってきている」と演説して物議を醸したことがニュースになりました。このニュースですが、こうした背景、つまり発言に至ったメカニズムを考えながら理解する必要があると思います。

まずタレント議員であったこと、そのために組織票を貰えなかったことがあります。その上で、五輪というマイナスを背負っていることも含めて、選挙区事情は厳しいものがあるわけです。もしかしたら、多くの旧清和会の議員が「地方組織にカネを回して、総裁候補として上を目指す」ために裏金が必要だった一方で、丸川氏は少し事情が違ったのかもしれません。それは他でもない自分の選挙が厳しいので、自分の活動のためにカネが必要だったという可能性です。

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