中島聡が考察。トヨタ“3年で社長交代”が意味する「自動車会社の終わり」の始まり

20250709nakajima_eye
 

トヨタ自動車が、佐藤恒治氏からウーブン・バイ・トヨタ元CFOの近健太氏への社長交代を発表しました。就任からわずか3年で社長交代という異例の短さに注目が集まっています。一見すると「サラリーマン社長のたらい回し」にも映るこの人事ですが、EVシフトで出遅れ、TeslaやBYDに生産技術でも追い越されつつある今、その裏には大きな戦略転換が隠れているかもしれません。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、著者で著名エンジニア・投資家の中島聡さんが、この社長交代劇の真意を読み解き、トヨタが「自動車会社」から「社会インフラ企業」へと変貌する可能性を考察しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

トヨタ、わずか3年での社長交代

トヨタ自動車が、社長交代を発表しました(トヨタ電撃社長交代! なぜ? 「3年で体制変更」の理由は? 佐藤氏から近氏に! 2人が語る今後とは…セリカはどうなる?)。佐藤恒治氏が社長に就任してからわずか3年という、トヨタとしては短い期間での社長交代なのが注目を集めています。

新社長は財務畑で、ウーブン・バイ・トヨタのCFOをしたこともある近健太氏だそうです。佐藤恒治氏は、トヨタの社長に加えて、自工会会長や経団連副会長を務めて来ましたが、後者、および自工会会長や経団連副会長として、政府・業界との調整に専念するためにも、社長は別の人に任せた方が良いという、取締役会の判断だったそうです。

第一印象はネガティブだった

このニュースを見た私の第一印象は、

  • 典型的なサラリーマン社長から別のサラリーマン社長への交代だ
  • 技術で勝負するはずのトヨタ自動車が、財務畑の人をトップに置いては、ビジョンも語れないし、優秀な技術者も採用できない
  • 高市政権との連携も、時代遅れな護送船団方式ではうまく行くはずがない
  • ソフトやAIに弱いままでは、トヨタ自動車は次の時代のリーダーにはなれない

というネガティブなものでした。

しかし、EVシフトで大きく出遅れ、トヨタ自動車が誇る生産技術に関しても、TeslaやBYDに追い越されつつある今、このまま、単なる「自動車会社」として生き残るのは難しい、と取締役会が判断した、とも解釈できます。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 中島聡が考察。トヨタ“3年で社長交代”が意味する「自動車会社の終わり」の始まり
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け