ユーザーは本当に得をしているのか?総務省の愚策がスマホ端末販売の「歪み」を生み出している

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KDDINTTドコモが相次いでプログラム内容を改定し、端末返却時の支払い免除に「特典利用料」を設定したことで、実質的な利用条件は3キャリアで横並びとなりました。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、今回の改定の内容とともに、新たに生み出された制約について語っています。

KDDI、NTTドコモも端末の買い換えで利用料を設定するも免除アリ―-総務省の愚策が新たな「歪み」を生み出す結果に

KDDIは2月26日から新しい端末購入プログラムとなる「スマホトクするプログラム+」を開始する。

分割払いという仕組みは従来のプログラムと変わらないが、最終回分の支払いを免除するには「特典利用料」として最大2万2000円を支払うという条件が追加された。すでに先行しているソフトバンクの「新トクするサポート+」に追随したかたちだ。

「auもソフトバンクをパクったか」と思った翌19日、今度はNTTドコモが「いつでもカエドキプログラム」に手を入れてきた。内容的にはソフトバンク、KDDIと一緒だ。

KDDIもNTTドコモも当然のことながら、ソフトバンクが「新トクするサポート+」を投入したタイミングで、いつでも対抗できるよう準備を進めていたのだろう。

KDDIが「スマホトクするプログラム+」を突如、発表し、NTTドコモは慌ててリリースを打ったのではないだろうか。KDDIがキチンとサービスを紹介するページを用意していたにも関わらず、NTTドコモにはそうしたランディングページが存在しないことからも、慌てぶりが目立っている。

KDDIとNTTドコモは、明らかにソフトバンクにしてやられている感があるのだから、もうちょっと競争上、ソフトバンクよりも良い条件を作ることはできなかったのか。

後からジャンケンしたにも関わらず、あいこで挑むなんて、かっこ悪すぎる。

名目上、ユーザーはどのキャリアでも購入できるのだから、他キャリアユーザーも買えるようにソフトバンクを上回る魅力的な立て付けで対抗できなかったのか。

先日、行われたNTTドコモの決算会見では「端末を予想以上に早く返却する人が多かった」(NTT・島田明社長)ということで、端末購入プログラムで454億円の減益影響があった。

そのためか、今回のプログラム改定は「将来にわたり安定的にご提供できるよう、利用条件にプログラム利用料の支払いを追加します」という建前となっている。

ただ、総務省でも議論が進んでいるが、そもそも端末購入プログラムなんてやめてしまえばいいのではないか。有識者会議で各企業や団体がプレゼンした内容は「端末購入プログラムを維持する上で、仕組みをどうすべきか」という意見と「端末購入プログラムの存在自体を見直す」という2通りの主張に分かれている。

今回、3キャリアが特典利用料を設置し、免除してもらうには最大2万2000円を支払うという立て付けは「新たな縛り」という指摘もある。

こうした縛りが出てくるのは、そもそも端末購入プログラムを前提としているからだ。

総務省の愚策によって誕生した端末購入プログラムには様々な歪みが出ている。

もはや、不毛な規制は撤廃し、各キャリアが自由に端末を販売できる体制にシフトした方が、健全で、ユーザーに分かりやすい端末市場になるのではないだろうか。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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