息のクサさは大病のシグナル?口臭のアリエナイ科学

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新年度ということで、初対面の相手と会う機会が多い時期ですが、そんな時に心配になってしまうのが、自分自身の口臭。そこで今回は、不良科学者・くられ氏による“口臭の科学”を3回シリーズでご紹介。第1回目は「そもそも、口臭って何なのよ?」を徹底解説!

口臭は口内・肺・胃からのにおいが総合して出来上がる

暴飲暴食が続いたりしてしまうと、ひどいことになってしまうのが口臭。そこでで口臭ケア……なんて話になるのですが、口臭ケアは口臭がなんなのかを知らなければ話が始まりません。

テレビなどでは、自臭症(自分のにおいが臭いと極度に心配する心身症)を煽る悪質なCMと共に、バラの香りでどーのこーのだと言ってますが、本当に臭い人はあんなものは効果が無いだけでなく、ドブの上に浮いたバラ、ウンコに刺した一輪のバラにしかなりません。上から芳香成分をいれても何も解決しません。

そもそも口臭というのは、口内の細菌の営みから生み出された臭気成分、肺から出てくる臭い、そして胃から上がってくるにおいが総合して出来上がるものです。

なので、原因が歯を磨いていない(もしくは舌苔をきれいにしていない)、また、アルコールやニンニクといった代謝物が呼気に混ざる物か、そして胃が荒れているかどうかなどでどう対処するかは、まったく別次元になるわけです。ブレスケアの類いは悪くはないですが、慢性的に臭いのであればなんらかの病気です。

ただ自分のにおいというのは自分で判断がむずかしいので、どうしても気になる人なんかは、歯科医で相談するのも悪くないでしょう。歯科医には自臭症の人がよくくるのか、においを数値で表す機械が置いてあることが多いので、役に立ちます。

呼気は様々な病気のシグナルが見えるところでもあり、代表的な病気は特徴的なにおいを持ちます。

:ホルマリン固定された肉の臭いや、瘡蓋の臭いと言われる。松ヤニと死体を混ぜたような臭いとも表現される。

ジフテリア:代謝不良でケトン体が出るのか、特に汗が独特の甘い芳香性を持つようになる

麻疹:茹でた鳥に近い匂い

リュウマチ:独特の酸っぱい匂い

統合失調症:刺すような鼻にくる臭い

これらは呼気だけでなく全身から匂い立つわけで、たまにお風呂にもきっちりはいっているのに、信じられないほど異様な体臭の人がいるのは、どこかが壊れている可能性が大と言えるわけです。

話が口臭から体臭にそれてしまいましたが、次回から、口臭対策を何回かにわけてしたいとおもいます。
(文/くられ)

著者/くられ
シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。まぐまぐ!からは、無料メルマガ「アリエナイ科学メルマ」を絶賛配信中。
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