プーチン人気を支える驚異的な「記憶力」…そのワケはロシアの伝統教育

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あのプーチン大統領から街を行くおばあさんまで、ロシア人たちは何故かずば抜けた「記憶力」を持つ人が多いと語るのは、モスクワ在住の国際関係アナリスト・北野幸伯さん。メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、ロシア人たちがなぜ驚異的な記憶力を持つに至ったのかを解説しています。

外国人を驚かす、プーチンの記憶力

善悪はともかく、今いる世界のリーダーの中で、一番目立っているのはプーチンでしょう。

実際、フォーブス誌の「世界でもっとも影響力のある人物ランキング」でも、2年連続世界一。オバマさんは、プーチンのせいで2位にあまんじています。

プーチンというとすぐ「マッチョ」という言葉が浮かびます。しかし、外国人を驚かすのは、その「記憶力」

プーチンは、毎年1回、テレビ生放送で国民の質問に答えています。4時間ぐらいぶっ通しで、国民からのあらゆる質問に答える。話は世界情勢から、「上司が給料を払ってくれない」「農業をしているが、融資条件が厳しすぎる」などなど、本当に多種多様な質問がでます。

プーチンは、すべての質問に、原稿なしで的確な回答をします。「一国のリーダーなのに、なんでど田舎のこんなことまで知ってんの???」と外国人は、みな驚くのです。

ロシア人は、記憶力がいい

実をいうと、「記憶力のよさ」は、ロシア人の特徴です。動画でも例にあげましたが。

あるロシアの友人が、電話で「今日○○の映画みたよ」といいました。それで私は、「へえ~、どんな話?」とききます。

するとそのロシア人は、映画の最初から最後まで、一部始終を語る。2時間の映画を見て、2時間語ることができる。私は、せっかちな日本人なので、「う~~、結論だけいってくれ!」と思うのですが……。

別の例を。近所に住むニーナおばあさんは、もう90歳近いだろうと思います。

私の妻は、産後具合が悪かった。ニーナおばあさんに道で会って、妻の状況を話したところ、「実をいうと私もカータャ(娘)を産んだ後、同じような症状があった。その時、○○通りの○○クリニックに行ったら、○○○○医師が見てくれて、○○○○という薬草からできた薬を使うように指示された。2週間使ったら、すっかり良くなったわよ。」などと話しました。

60年前の出来事を、「昨日あったことのように」話すので、とても驚きました。「自分も、90歳になったときニーナおばあさんぐらい頭がはっきりしてればいいな~」と思ったのです。

例をあげるとキリがありませんが、プーチンに限らず、ロシア人は記憶力がいいです。日本人の私から見ると、「驚異的」と思うこともしばしばあります。

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