安倍政権がインバウンド政策の一環として規制緩和に意欲を示している「民泊」。11月には死亡事故の報道もあり、住民と外国人旅行者によるトラブルが多発しているようです。この民泊から住まいを守るにはどうしたらいいのでしょうか。メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』には、管理組合がやるべき対策と、楽観視できない現状が記されています。
民泊を阻止するには
こんにちは!廣田信子です。
マンションの民泊問題に関心が高いです。で、実際、かなりのスピードでマンションに入り込んでいます。
都心の便利な場所にあるタワーマンション等では突然、いつの間にか、Airbnb(エアビーアンドビー)に登録されていて、大きなスーツケースを転がした旅行者が出入りするように…。おかしいと気づいても、なかなかどの部屋なのか確定するのが難しいのです。
旅行者らしき人が部屋に出入りするのを見かけてもたまたま友人が泊りに来ているだけと言われれば、それ以上強く言えません。
Airbnbのホームページを見ても、出されている部屋のマンション名も部屋番号もわからないようになっています。部屋を特定できなければ、注意もできません。
仕方がないので、登録されている写真から、これはうちのマンションじゃないかというものが出ていると、実際に宿泊を申し込んで、お金も払い、部屋に入って、その現場を確認して、その部屋の区分所有者にやめるように勧告する場合もあると言います。
もぐらたたきのようです。そのうち、どんどんマンションが特定しにくいように写真を載せるようになるでしょうから。
そうしたら、関西で、もっと大胆な話を聞きました。しかも、こちらは、築40年の団地の一室です。
階段室の入口にいつも外国人が複数たむろしている様子に、いったいどういった人が住んでいるんだろう…階段を上がるときにちょっと怖いと言う話が出て、居住者を調べると、1人暮らしのかなり高齢者の男性の所有で、本人は施設に入っていていないはず…。
で、玄関まで行ってみると、Airbnbのシールが玄関ドアに貼ってある…。でも、高齢の理事さんたちは、Airbnbをよく知らなくて、これはなんだろう…と調べてようやくAirbnbの民泊のことを知って、あわてて保健所に相談に行ったりして大問題に。
堂々とドアに貼っている…というのもすごいですね。
で、その部屋の区分所有者は、もう高齢で判断能力が低下していて、その部屋の管理は息子さんがやっているようですが、なかなか会うことができません。で、Airbnbによる収入が、この高齢区分所有者が入居している施設に払う利用料になっているようだと言います。
なんか、ちょっと複雑です。
郊外型の築40年のエレベーターなしの団地にまで、Airbnbの波が押し寄せていることにびっくりしました。その背景にあるのは絶対的なホテル不足。本当に関西地区でホテルが取りにくい状況があります。私も苦労しました。
で、オートロックがなく、自由に敷地や建物内に出入りでき、玄関の鍵ひとつで管理できる高経年団地は、考えようによっては、民泊に利用しやすいのかもしれません。