中国VS米国。戦争をする気もないのに挑発する理由とは?

yasu20150603
 

アメリカと中国の軍事衝突が心配される南シナ海問題。前CIA副長官らも開戦に至る可能性を示唆するなど、いつ紛争が発生してもおかしくない状況にあるような印象を持ってしまいますが…。『未来を見る! 「ヤスの備忘録」連動メルマガ』に、「アメリカによる中国挑発は、現在仕掛けているとある国の政変から世界の目をそらすため」との情報が。ウクライナの次にターゲットにされた国とは? そしてなぜアメリカはまたも政変を仕掛ける?

なぜアメリカは中国を挑発するのか

すでに日本でも大きく報道されているので周知だろうが、中国共産党機関紙である人民日報系の日刊紙「環球時報」は5月25日付で、「米中が南シナ海で軍事衝突する可能性が大きい」と題する社説を掲載した。米軍が「挑発」と「侮辱」を続けるなら、「中国軍は尊厳のために戦う」としている。

いま中国は、領有権を主張している南シナ海の南沙諸島の永暑礁(ファイアリー・クロス)で、本格的に埋め立て作業を行っている。滑走路なども完成間近の状態だ。中国のこうした強硬な動きを米軍は監視を続けており、中国が埋め立てを続けている空域で何度も偵察機を飛行させている。メディア関係者を偵察機に搭乗させての取材も行った。

南沙諸島の領有権を強く主張している中国は、米軍機の監視行動を「領空侵犯」として認識しており、強く反応している。中国政府外交部は、「無線警告で米軍機を追い払った」と主張。米軍を「極めて無責任で危険な『領空侵犯』」、「国際法を順守し、挑発的な行動を控えよ」などと非難した。

さらに「環球時報」社説では、中国としては「譲れない最低ライン」は埋め立て工事の完成であり、「もし、米国の譲れない最低ラインが中国の埋め立て工事の停止であるならば、米中の南シナ海における一戦は不可避」であるとし、「中国軍は尊厳のために戦う」と主張した。

マイケル・モレル前CIA副長官の発言

中国のこうした対応に対して、米政府の高官などから発言が相次いでいる。そのひとつは、前CIA副長官のマイケル・モレル氏の発言だ。

モレル氏は「中国の南シナ海での埋め立て行為が、米国の盟友に緊張を与えている。このようなにらみ合いは、中国と米国の未来に『絶対的』な開戦リスクをもたらす」と語った。

さらに、モレル氏は「中国の勢いが続けば、中国と米国は開戦に至るだろう。米国が譲るのか? 彼らが進撃してくるのか? 次期大統領が直面することになる重要な問題だ」と指摘した。

ジョージ・ソロス氏の発言

このような発言を聞くと中国とアメリカが一触即発の危機に向かって進んでいるように見えるかもしれない。そのようななか、注目されているのが世界的な投資家のジョージ・ソロス氏の発言だ。

ソロス氏によれば、中国が輸出でなく内需に経済の主軸を移したとき、中国とアメリカの衝突による第3次世界大戦のシナリオは現実のものとなるとしている。そして、次のように言う。

「米国の軍事同盟諸国、たとえば日本と中国との間に紛争が発生したとすれば、第三次世界大戦が始まるといっても、過言ではないだろう」

この最悪のシナリオを回避するためには、米国がなすべきことは、中国に対する「大幅な譲歩」であるとしている。人民元にIMFの通貨バスケットの一部となることを許し、ドルの強力なライバルとなる国際通貨にして行くことだとしている。

最後に、中国がロシアと政治的、軍事的同盟を結ぶのであれば、そのとき新たな世界大戦は現実のものとなるとソロスは言う。

>>次ページ もはや軍事衝突は避けられないのか?

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