海外記者が断言。日本ほど「ランニング中毒」な国はない

 

日本人はどうしてこうも走ることが好きなのでしょうか。あなたの周りにも必ずといっていいほど、身近な「ランナー」が週末の走行距離を自慢してくる、ということはありませんか? 日本人のランニングブームは40年近くも続いているといわれ、愛好者は年々増えています。この状況はすでにブームを通り越し、立派な文化と呼べそうです。1人のランニング愛好家のイギリス人がそんなミステリアスな日本のランニング文化についての本を出版しました。海外から見た熱狂的な「ランニング愛好国家」日本について考察していきましょう。

英国人ジャーナリストが注目。世界一のランニング「中毒」大国日本

日本のランニング文化に目をつけたのは、イギリス人のジャーナリストで自身もランニング愛好家であるアダーナン・フィン氏です。

2015年11月に出版した「駅伝マン日本を走ったイギリス人(早川書房)」(洋題:The Way Of The Runner)という本の中で、実際に家族と共に日本に滞在し、自らも走りながら、日本独自の長距離走文化や慣例を海外のそれと比較し、その謎についてユーモラスな視点から考察しています。

日本語版

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「The Way of the Runner」

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もともと、ケニア人ランナーは何故そんなに速く走れるのか? という疑問から、ケニアにも実際に滞在しケニア人ランナーの実体に迫った「Running with the Kenyans」というベストセラーを生み出しています。

その後、周囲からは「次はエチオピアについての本を書いたら?」とアドバイスされたそうなのですが、ケニアと同じような話は退屈だと感じた彼は、そんなケニア人とはまた異なる特徴を持つアジア一、いや「世界一ランニングに対する執着度が高い日本をターゲットにしたと、情報サイトMen’s Journalに語っています。

駅伝に見る日本人のランニング力

特に彼の好奇心をくすぐったのは「駅伝」でした。

中でも、年明け早々二日に渡って生で中継され、高視聴率をキープし続けるこの「箱根駅伝」という国民的行事に注目をしたそうです。

フィン氏は、駅伝で100位になった日本人ランナーでも、同日に行われているイギリスのマラソン大会でチャンピオンになれる実力があるのに、日本人ランナーはそれほど国際的な競走には興味がないという興味深い指摘をしています。

しかし一方で、アフリカなどの他の国の選手より速く走ることができない一因も指摘。

マラソンランナー数多く生み出してきたケニアやエチオピアを基準として考えた際に、高圧的なコーチの存在に加え、キレイで清潔で安全で精密なコンクリートの上を走っているからではないかと推測をしています。

また日本人の身体的な特徴についてもこう述べています。

日本人は、欧米などの他の人種に比べて背が低いことをコンプレックスに思っている人もいますが、近年のトップランナー100人の平均身長は5.7フィート(約174cm)だそう。

そのためケニア人も日本人も、身長が低いことに差はないとのことです。

一方、知人の日本在住10年のイギリス人女性ランナーは「日本人は日本人として生きているだけで、ランナーとして最高の環境にいる」と述べていたのが、フィンにとっては印象的だったそうです。

「日本人は元々体重も軽いし背も小さいし、普段の食生活のままでランナーに向いているのよ。私はレースのための身体作りとして減量するのがとても大変だけど、彼らは何か特別な食事を摂る必要もない。日本にいるだけで完璧にレースに出る準備が整っていると思うわ」

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