【書評】正しいのは悲観論のマルサスか、国富論のアダム・スミスか

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今回の「3分間書評」で取り上げるのは、国富論におけるビジネス3要素のひとつ「土地」に着目し、経済成長の決め手となるものと次世代における可能性、成功する企業リストを明確にした一冊。無料メルマガ『毎日3分読書革命! 土井英司のビジネスブックマラソン』を配信するアマゾンの元カリスマバイヤーが先行してメルマガ読者に紹介したこの内容を、特別に公開します。

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リソース・レボリューションの衝撃』 ステファン・ヘック、マット・ロジャーズ・著 プレジデント社

 こんにちは、土井英司です。

株式市場は連日の暴落ですが、その根本にあるのは、中国経済の行き詰まりへの懸念でしょう。ただ、忘れてはいけないのは、経済成長によってもたらされた世界的人口増大と、生活水準の向上です。

ビジネスにおいてプロは、つい供給サイド、企業サイドに目を向けがちですが、最終的に成長を決めるのは人口であり、需要なのです。すでに中国・インドには膨大な人口が存在しており、彼らは経済成長を受けて、より高次の欲求・需要を生み出そうとしている。そこには必ずビジネスチャンスがあり、それをモノにする次世代の成功企業があるはずなのです。

本日ご紹介する一冊は、そんなビジネスチャンスと次世代の成功企業のリストを明らかにした、要注目の一冊

本書『リソース・レボリューションの衝撃』によると、アダム・スミスが『国富論』で唱えたビジネスの3要素(労働力・資本・土地)のうち、われわれは、労働力と資本ばかりに目を向けていて、3つ目の要素である「土地」には目もくれていませんでした。

この「土地」を広義にとらえると、それは<食べ物や水や木といった、大地から生まれ、掘り出され、捨てられる資源>であり、こういったリソースに革命を起こせば、まだまだ世界経済は成長できる、と説いたのがこの『リソース・レボリューションの衝撃』なのです。

著者の一人、ステファン・ヘックは、資源経済学を專門とするスタンフォード大学プレコート・エネルギー研究所コンサルティングプロフェッサーであり、マッキンゼーの半導体部門のリーダーも務めた人物。もう一人のマット・ロジャーズは、マッキンゼーで重工業と石油ガス部門を率いる、サンフランシスコオフィスのディレクターです。

本書では、このリソース・レボリューションとは何なのか、具体的に何が進行中なのか、どんな企業が名乗りを上げているのか、詳しく書かれています。

産業革命の歴史と、資源利用の技術史をふまえながら丁寧に書かれているので、読み物としても思わずのめり込んでしまうでしょう。

当然、有望な転職先として、投資先として、押さえておきたい企業がてんこ盛りで、本来なら内緒にしておきたい内容ですが、BBM読者のみなさんにだけ、先行でお教えすることにします。

発売は数日後ですが、その貴重な内容のエッセンス、さっそくご紹介することにしましょう。

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著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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