【ちょっと横になるわー】風邪のウイルスでも原因になる、30代、40代の突然死

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若くして突然死の謎

最近twitterなどでも話題になっていた、まだ30代、40代といった年代にも関わらず、突然原因不明の体調不良から突然死に至る・・・という話。健康だった人が、病気をすっ飛ばして死に至るというのは、なかなか鬼気迫るホラーです。実際に亡くなっている人の体の中では何が起こっていたのでしょうか?

実際に筆者の身の回りの人間や、知人の知人という範囲で3、4人、「最近具合悪いんですよねー」と言っていたのを最後に最近話聞かないなと思っていたら、急逝しまして・・・という笑えない話もあり、わりと「今そこにある恐怖」といえます。

さて、この一見健康そうな人がいきなり死ぬというのは、にわかには信じがたいですが、蓋を開けてみれば、実は不摂生と不健康の積み重ねの結果、悪く言えば自業自得とも言える場合が大半です。亡くなった人を悪く言うのは憚られますが、とはいえ、不健康の積み重ねは「死」というツケで回収されることがあるということです。

運動、食事、睡眠。この3つは生活を作る上で欠かせないことは誰もが知っています。しかし、無茶をするときに最もないがしろにする部分でもあります。

この「無茶をする」が日常になったとき、デス13・・・じゃなかった、死神の足音が後ろから聞こえてくるわけです。

まず、病的なまでの運動不足。スタジオや仕事場から一歩も外に出ていない、10m歩いただけで足の裏が痛いといった人までいます。

食事は3食カップラーメンやコンビニパンといった、カロリー過多、低栄養の食事の人も。または、病的な食べ過ぎ、食べない過ぎも当たる人が多く、突然死する人は痩せているのに内臓脂肪がたっぷり(下腹部がパンパンに張っている)といった体型になっていることもあります。

睡眠に関しては、2、3日の徹夜は当たり前、平日はほぼ寝ないので、週末寝だめするとか言い始めると危険な兆候です。逆に、睡眠時間が昼夜逆転でも数時間程度であれば問題ないのですが、1日12時間以上寝るといった睡眠リズムなども危険な兆候です。また昼夜逆転で、睡眠時間をとっても眠かったり、イライラするような精神的不調が出始めている人は決壊の兆しありです。

こういった不摂生を積み重ねるとどうなるかというと、まず正常な体の再生自体が阻害され続け、本来1日に××時間しか稼働してはいけない臓器が必要以上に酷使され、耐用時間を過ぎてしまうことにあります。

当然再生にかかる時間は膨大なはずなのに、それを無理矢理起きて精神力だけで動くようにしてしまうと、人間の「適用」という能力が悪く働き「慣れ」が起きてしまい、茹でガエル状態に陥っていきます。

結果的に、あらゆる臓器が壊れだし、免疫系の機能も失われていきます(風邪の状態でステロイド注射をして無理をしている状態に近い)。そうすると、本来ただの風邪で終わるようなウイルスや細菌が、あり得ないところで感染拡大を許してしまうことになります。また腸内で発生した普通の有害物(肝臓で無毒化できるので本来は無害)が放置されて体を破壊することもあるようです。

結果的に、脳や心臓といったところに急激に炎症が広がります。急性心筋炎や急性脳炎といった症状を引き起こします。この始まりが「あー今日は特に具合悪いなー」という程度のシグナルで、正直なところ、ここで病院に行ったとしても、助かる可能性は実際高いとは言えない気がします。

そして「ちょっと横になるわー」・・・が今際の言葉になってしまうわけです。
(文/くられ)

第2回:【突然死の科学】“不眠を気合で克服”は原始時代まで?意外と知られていない「睡眠」の重要さ

著者/くられ
シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。まぐまぐ!からは、無料メルマガ「アリエナイ科学メルマ」を絶賛配信中。
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