石垣島まで監視可能。中国が新たに手にした「飛行船」という軍事力

 

南江空天科技は、成層圏飛行船の用途を以下のように説明している。

  1. 大気・水質汚染の観測
  2. 都市の観測による交通情報収集、違法建築摘発、突発事件の情報収集
  3. 陸地から最大500キロ沖の船舶に対する第4世代移動通信システムの提供
  4. ブロードバンドテレビ放送
  5. レーダーによる気象観測と天気予報
  6. 赤外線センサーによる林野火災の監視と消火支援

南江空天科技が3. について述べているとおり、高度20キロの飛行船から地平線までの距離は500キロある。500キロといえば、浙江省と福建省の沿岸から沖縄県石垣島までの距離であり、上海から九州・沖縄までの距離の半分以上にあたる。

中国は高高度滞空型飛行船の開発によって、自国の地対空ミサイルの傘の中から500キロ以上沖の海上精密監視する手段を手にしたことになり、その軍事的意義の大きさを否定する世界の専門家はいない。

後方から見た「圓夢号」のイメージ図(南江空天科技サイト)

後方から見た「圓夢号」のイメージ図(南江空天科技サイト)

静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之

image by: YouTube

 

『NEWSを疑え!』第436号より一部抜粋

著者/小川和久(軍事アナリスト)
地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。
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