【3分間書評】いつの日かビッグマネー叩きつけたい人に教えたい、華僑の起業ノート

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今回の“3分間書評”でご紹介するのは、大物華僑から学んだ起業の教えをまとめたという一冊。生々しいまでの体験談と、そこから導き出されるリアルな処世術に、土井さんも思わず膝を打つほどだったとか……。

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『失敗のしようがない華僑の起業ノート』大城太・著 日本実業出版社

こんにちは、土井英司です。

良いビジネス書の定義って何ですか?」

よく聞かれる質問ですが、「役に立つもの」以外に明確な答えはありません。

思考の枠組みや原理原則を教えてくれる理論書も良いですし、判断のための事実が並んだデータブック、ジャーナリストが書いた本も良い。

企業のケーススタディ、経営者の回顧録、ビジネスモデルについて書かれた本も、会計書も、すべて役に立つと思います。

ただ一つ、決して見た目や謳い文句は派手じゃないけれど、「切れば血が出そうなビジネス書」というものがある。

生々しいまでの体験談と、そこから導き出された処世術は、立場のある有名経営者の本からは到底学ぶことができません。

本日ご紹介するのは、華僑社会では知らない者はいないと言われる大物華僑に師事し、自身も起業家として活躍中の著者が、大物華僑から学んだ起業の教えをまとめた一冊。

ベストセラーとなった『経営のやってはいけない!』同様の起業のリアリティ、そして権謀術数の華僑の処世術が書かれており、2015年の起業前に読むべき本、トップ5に入る内容です。

なかでも、「お金を出す人」「アイデアを出す人」「作業をする人」を分けるべきという教えには、思わず膝を打ちました。

いくつか、起業家への教訓を見て行きましょう。

まずは「やりたいこと」より「お金になること」

最も儲からないのは、低粗利でリピートがないビジネス

「貧乏な時こそ、なるべく人のためにする。できるだけ人に使ってもらう。自分を人に使わせるのはもったいないという人は成功しません。使われないで自分の価値、どうやって人に示すんですか?」

もっと上に行きたいなら、自分よりレベルの高い人に使ってもらう。使ってもらえなければ、自分のレベルがまだまだ、だということ

「お金を出す人」兼「アイデアを出す人」→ビジネスが短命に終わる

「アイデアを出す人」兼「作業をする人」→ビジネスの成長が遅れる

「作業をする人」兼「お金を出す人」→ビジネスが小さくなる

先もらい・後払いでキャッシュを確保

「今なら安くします」では取引が1回で終わることが多い。「2回目から安くなります」「2台目から安くなります」が正解

サポート期間延長のアップセルは、売った時の利益アップだけがメリットではない。長期にわたってお客さんと接触できる(たくさんビジネスできる)保証を手に入れたようなもの

良い人を選ばないとできないというのはレベルが低い。頭使えばどんな人でも活かせる

儲からない会社は、だいたい社長が経営に集中していません。できる人を採ろうと何度も面接したり、できない人を育てようとしたり、苦しいことをして仕事をした気になっているのは最悪のパターン

人間のずるさを出させない仕組みを作っておくのが、華僑流マネジメントの基本

起業経験者なら、おそらくほとんどが納得できる内容。できれば起業前に教えて欲しかったという話ばかりではないでしょうか。

これから起業する人にとっても、既に起業している人にとっても、大いに役立つ内容です。

ぜひチェックしてみてください。

『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』
著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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