未だに履歴書の72%が手書き。なぜ企業は「字」を気にするのか?

 

では、採用担当としては、どうすれば良いか? おそらく、どちらが良いかの正解は無いでしょう。

ただ、どちらを選ぶかの「明確な目的」と、それを選んだことの「納得感のある説明」は必要です。

「明確な目的」とは、例えば手書きであれば

「字のキレイさで人柄を判断する」
「書き方の丁寧さで、志望度・熱心さを判断する」
「手書きでハードルをあげ、本気度を見る(絞る)」

などです。

そして「納得感のある説明」とは、ただ単に「手書き(PC作成)でお願いします」
という説明ではなく、「なぜ手書き(PC作成)でお願いしているか」を説明するということです。

例えば、PC作成であればこのような感じですね。

「手書きの履歴書では、みなさんの負担になります。また、はたして字のキレイさや丁寧さで、人の良さはわかるでしょうか? いえ、決してわからないと思います。そこで弊社では、PC作成でお願いしています。手書きに使う時間を、ぜひ企業研究などの他の時間に有意義に使ってください」

このようにお話しすれば、単に説明するよりも、応募者の納得感を得ることができます。

これは、中々している会社は少ないですが、だからこそ、しっかり説明することで会社に対する好感度をあげることができます。

現状では手書きが多数派ではありますが、逆の流れとして、某就職サイトでは、PC入力によるESの共通化を推進したりしています。今後は、PC派が増えてくることも考えられます。

いずれにしろ、単に惰性でどちらかを続けるのではなく絶えず効果を測りながら、目的を明確にして行いたいですね。

ちなみに、私は「PC作成」派です(これはもちろん正解と言うつもりはありませんが)。

なぜなら、字のキレイさや丁寧さを採否に関連させるべき必要性を感じなかったからです。

確かに手書きの履歴書は嬉しいです(メールではなく手書きのはがきをもらうのと、なんとなく感覚は似てますね)。

字が丁寧だったり、キレイだったりするとその応募者の印象も良くなったりします。

ただ、採否の判断に使用していたかというと、それは、全くしていませんでした。

当然のことですが、重要なのは「字」より「書いてある内容」です。書類選考では「書いてある内容」で採否を判断します。

また、面接をして選考を進めると、その面接の内容で採否を判断していきます。「字」のことは判断基準に入らなくなるのです。

これでは、苦労してまで手書きで書いてもらう必要性がないと思ったわけです。

みなさんの会社はいかがでしょうか? 字のキレイさは採否の判断基準になってますか?

image by: Shutterstock

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