とても常識人なのに「私、変わってるんです」アピールしたがる日本人

 

以前の職場では(僕がまだ一社員の頃)

そこの社長は、とんでもない悪者で、いたるところに借金しては逃げてました。 それだけなら日本にもいっぱいいますが、ロスで買った車を代金も払わす逃げる為、NYまでアメリカをその車で横断して、その道中を疾走!アメリカ大陸」ってコラムまで書き上げてました・笑  ホントは「逃走!アメリカ大陸」なのに。 そんな借金踏み倒す社長の基にまともな社員が集まるわけありません

デザイナーはヒゲ面のゲイのおじさん。 ミーティングで揉めると、オフィスの隅に行って体育座りで泣き出します。 心は少女。 ヒゲヅラのまま。 四十路が。

編集長はシングルマザーのお母さん。 夕方になると子供を迎えに行って、おんぶしたままパソコンに向かいます。 オフィスには子供の泣き声が。

他の編集員はタイ人の男性と長年つきあった挙げ句、タイ語がペラペラになり、オフィスの電話でタイ語で大ゲンカしてる。

その横には全身ゴスロリファッションで、ガンガンにハードロックをイヤホンで聞きながらノリノリでパソコンに向かって仕事してるちっちゃいちっちゃい女の子の社員。

その横には、その子は至って普通の子ですが、横にいつもウォーリーを探せ!のウォーリーくんソックリのひ弱でなで肩の男の子が。 なにもせず、そのこのま横に座ってニコニコ、その子の仕事を見ている。 お前誰?って聞くと「彼氏」とひと言。 片時も彼女と離れたくないんだ、と愛を語り出す。 世間ではそれをヒモって言うんだぞ。

営業の後輩には、丸坊主で筋肉ムキムキの男の子がいて、彼はニューヨーク大学のグレイシー柔術のクラスの師範代。 教える方。 あのヘンゾグレイシーの直系の弟子です。

オフィスでいつもタンクトップで、プロティンを飲みながら腕立て伏せしてました。 仕事もせずに。 「昨日、道場破りが来て、入院させちゃったので、お見舞い行きたいから早退させてください」と痛めた首を回しながら聞いてきたこともあります。

山口組系列の●●組(指定暴力団)の親分の息子がインターンとしても来ていました。 朝、出勤するとシンナーの匂いがオフィスから漂います。

極めつけは、日本人のホームレスを拾ってきて、雑用係としてオフィスに住み込ませてました。 そのホームレスは一時期、本も出版して、ひょっとしたら日本でも知ってる人がいるかもしれません。

そこのオフィスは、タイ語と赤ちゃんの泣き声が響き渡り、正体不明のメガネのアメリカ人が座り、ゴスロリがノリノリで、ムキムキが腕立てして、シンナーの匂いがして、ソファにホームレスが寝てました。 これ実話です。

そのあと自分が独立してからも、中には朝から番まで苺ジャムパンしか食べないおばさん。 それ以外食べない。 毎週月曜日の朝に週末クラブで知り合ったカリブ系の男性と関係をもっては「結婚します!」と毎週、毎週、報告に来る元・ホステス。 週代わりのフィアンセ。 オフィスでステップを踏むサルサのインストラクター。 営業電話しながら踊ってた。 虚言癖をもっている男の子。 言うことが日によって違うならまだしも、朝と夜で真逆のことを言い、ヒドいときにはワンフレーズの最初と終わりで真逆のことを言ってました。

これ、ほんの一部です。 書き出したらきりがない。やっぱり、少し変わったのが多い気がします。

で、全体的に彼らの口癖は「アタシほど平凡な人間はいない」。 サルサのインストラクターはいつもそう言ってました。 ステップ踏みながら。 日中、オフィスで。

ヤクザの息子のシンナーくんは真顔で「ニューヨークの日本人ってヘンな人多くないっすか?」と聞いてきました。

彼ら【本物】は自分たちのことをヘンと思ってないし、絶対、そう言わないし、認めない。

なので、日本の常識的な一般的な30代の女性が「アタシ、ちょっと変わってて~」とアピールしてくるたびに、「あー。 そうなのー」と言いながら、心の中で、前述のどれかひとりでも発注してやろうか、と思ってしまいます。 【本物】を実際、見てみるか?って。

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