とても常識人なのに「私、変わってるんです」アピールしたがる日本人

 

アメリカかぶれと思われるのがいちばん嫌な僕、ということをまず、言っておいて、そのうえで、やはり日本はこと文化に関しては、世界でも稀に見るガラパゴス化。 一律同じドラマを同じバラエティをみんなが見ている傾向があるので、国民総「キムタク化」—。

意識しているか、意識してないかは別として、ドラマの中の木村拓哉も福山雅治も米倉涼子も仲間由紀恵も、やっぱり常識人ではなく、少し変わっていて、少し非常識人で「人と違う」

そういった主人公になるためには、手っ取り早く、口頭で申告すればいい

ちょっとだけキツいいい方ですが、日本出張のたび、いまだにそう思っちゃいます。

例えば、よく聞く「人生は肩書きだけじゃないんだ。 肩書きだけで生きている人間は寂しいね~」というセリフ。

本当にその通りだと思うし、肩書きをチラつかせるヤツはカッコ悪いし、最低だと思います。

ただ。今の時代、逆に「人生は肩書きだ!」とあえて、間違えた理屈を口にしていいのかも、と一瞬だけ思ってしまいます。

なぜなら、国民全員が「人生は肩書きじゃない」と言うから、そう思っているからこそ、肩書きなくてもさっきの「人と違うんですぅ」アピールがまかり通るんじゃないか。 肩書きないから口頭で会う人会う人に申告していかなきゃいけないんじゃないか。 わかりやすくいうと、総理大臣や、ソフトバンクの孫さんや、さんまさんや、ICHIROは「僕変わってるんですぅ」ってアピールは絶対しない。 する必要がない。 極端な例ですけど(笑)

口頭での自己申告でのブランディング化は、まったく人の記憶に残らないよ。

人と違うアピールは、それに加えて、今、日本がとっても裕福な国だという裏返しでもあると思うんです。 どんなに不景気と言ったところで、第3国に比べれば、豊かで、不満がない。 でも、何かが足りない。 自分のアイデンティティを守るためには、自分だけの何かをアピールしなきゃいけない。

その結果が「アタシ、人と違うんですぅ」じゃないのかな、と。 (考え過ぎか?・笑)

それに人間はもともと、みんな違うけどね。 今の時代、アウトローを気取らず、真っすぐ、正面からの真面目キャラの方が際立つかも。 みんなが異端児キャラを狙う今の時代だから。

その派生語として(こっちのセリフは男性が多い気がしますが)結構多いのが、次のセリフです。

 

「ゴメンね、ハッキリものを言っちゃうタイプなんだよね、オレ 。 面倒くさいの嫌いだから。 そこは、裏がなくて、日本人、気を使うけど、オレ、別に悪気はないからさ、ゴメンね、結構、ズバっって言っちゃうタイプなんだよね、誤解しないでね、裏はないからさ。 他の人って、気を遣うじゃん。 そんな面倒なこと出来ないからさ。 なので。 いつも誤解されがちなんだけど、オレ、日本人っぽくないっていうか、ハッキリもの言い過ぎて、嫌われちゃうっていうか。 でもいちいち気を使うのも面倒だから、そこは、結構ズバズバ言っちゃうタイプで、、、、、、 」

。 。 。 。 。 。 。 。 。 いいから、早く、本題入れよ  ( ̄  ̄)

これ以上なく面倒くさい。 めちゃくちゃ気を使ってるじゃん。 ニューヨーカー、そんな枕詞なしで、それこそ、ズバって言っちゃうよ。

image by: Shutterstock

 

NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 より一部抜粋

著者/高橋克明
全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる
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