部屋を借りたら、元・殺人現場。説明しなかった不動産屋を訴えたら?

 

心理的瑕疵は、何年後まで説明が必要?

ここについては、実は明確なルールがないのが実情です。ただ、いくつかの判例がありますので、それを参考にできます。

「自殺があった部屋と同じ建物の賃貸借契約においては、告知義務はない

(東京地裁 平成19年8月10日判決)

「共用部分で自殺があった貸しづらくなったと訴えたところ、賃貸人の主張が減額の上認められた」

(東京地裁 平成26年5月13日判決)

その他心理的瑕疵の判例一覧(不動産適正取引推進機構)
建物賃貸借に関する紛争 – (2)貸主・借主の義務違反、その他 – 心理瑕疵

これらの判例を見ていると、何年後まで告知が必要という明確なルールはないようです。また、ほかの部屋では告知義務はないとした判例もあれば、共用部の自殺が心理的瑕疵として認定されています。

自殺の事実が世間のどれだけ広まったかも影響しているようで、やはり明確な答えはないようですね。

まとめ

実際の実務がどうかという話をすると、心理的瑕疵、事故物件については、告知義務違反を恐れて、普通の不動産会社であれば、違うフロアでも、共用部でも、何年も告知をしているところが多いようです。

また、案件の程度にもよるわけで、病死したケースと、強盗が押し入って殺人事件があって、さらに新聞に掲載されたのでは、程度も違うため、告知期間も変わります。私が以前仲介した物件では、新聞記事も案内時から渡されました。

それから、不動産会社、貸主が知らなかった場合には、告知をしていなくても、損害賠償は認められていない判例が多いようです。そのため、事実を知らない場合には当然説明はありません。

ですから、今借りている物件が実は、事故物件だったということも…、もしかしたらあるかもしれませんね。

image by: Shutterstock

 

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