いい人は自分のことも嫌いになる
「自分に自信がない」という人、「自分の性格が好きではない」という人は、たいていいい人です。
いい人は、他人からどう思われるかを非常に気にしますが、それは自分の価値基準より他人の価値基準を重視しているということ。
何かを成し遂げたなどの拠って立つ自分がないため、自分が頼りにできない。
自信がない自分を好きになれず、他人に合わせる自分も本当は好きではない。
でもそういう状況から抜け出せない自分に自己嫌悪し、次第に自分のことも嫌いになるのです。
学生や専業主婦が陥りやすい思考パターンですが、彼らは自分で生活を守る自信も自分で生きていく自信もありません。
本当はその実力があっても、どうすればいいかを考えたことも経験もないから、自分では何もできないという発想になりやすい。
また、過去の挫折経験がトラウマになっている人もいます。
彼らは、「やればできる」といった精神的な自立心が欠如しているのです。
彼らに対して「やればできるよ」と言っても、「私なんて何もない」という答えが返ってきます。
「そういわずに、ここなんて素晴らしいよ」と言っても、「そんなことない」と、ことごとく自分を否定をします。
そして彼らは、自分の安全を優先するようになります。
他人に合わせていれば、外から矢が飛んでくるリスクは低い。
挑戦しなければ失敗して傷つくこともない。
とにかく安全圏にいて、人との摩擦がないようにしたい…。
そうやって嫌われるのが怖くて迎合的な態度をとり続ければ、本当に嫌われることが大変な恐怖に思えてきます。
幽霊と同じで、怖いと思うから、本当に怖くなる。相手を恐れる気持ちが、その人を恐ろしい存在にしてしまう。
そしてますます委縮し、自分を出せなくなる悪循環に陥るのです。