いい人はSNS依存症になって時間を失う
過剰な「いい人」は親の愛情を十分に受けずに育った愛着障害の場合が多く、周囲からの歓心を買いたい気持ちが強くあります。
こういう人たちはSNSと相性がよく、依存症になりやすいと言えます。
『自分』が育っていないから絶えず周りを気にし、フェイスブックなどでもリア充アピールによって人から承認を得ることで、かろうじて自分を支えているのです。
SNSは構ってほしい人には絶好のツールであると同時に、振り回されやすい傾向があります。
いい人は、他人からの評価を非常に気にしますから、たとえばLINEグループから外されて悩むという人は、頻繁にネットでやりとりして、お互いが同質であることを確認し安心し合いたい欲求があります。
また、「いいね」の数やコメントの有無が気になり、「いいね」の数が増えているのを見ると安心します。
そのため、片時もSNSをチェックしていないと気が済まない、だからスマホを手放せない。
そうやって膨大な時間をSNSに投下するものの、自尊心が満たされるだけでリアルでは何も動いていないから、人生は一向に好転しないということが起こりがちです。
特に、SNSに長文を載せる人は要注意で、彼らはリアルの世界で承認が得られていないか不完全燃焼感があると言えます。
そのため彼らには、SNS上で自分の思いを吐き出し、それを認めてほしいという欲求があるのです。
彼らの心は空虚であり、それを満たすためにネットに依存します。
これはアルコール依存のように、空っぽな自分を満たすため、ずっと刺激を求め続ける行為です。
このネット依存症はアルコール依存症などと同じく脳の病気ですが、スマホを取り上げると暴れる子が増えているなど、家庭内暴力の原因ともなっています。
そして最近増えているのが、親のスマホ依存によるスマホ・ネグレクト。
これは、母親がスマホに夢中になりすぎて、赤ちゃんが泣いても無視してしまうという問題です。
0~3才の心の土台が作られる時期に、親子の感情のつながりが脆弱だと、子は家庭の中での自分の存在に対する安心感を得られません。
自分を信頼できず、親も信頼できず、でもどうやって親とコミュニケーションを取ればいいかわからない。
すると、他人の気持ちがわからないとか、だから他人を操作しようとするとか、感情の抑制がきかない子供に育ってしまいます。
そうやって愛着障害児・発達障害児を大量生産しています。
そして愛情に飢えた彼らが大人になると、同じように周囲からの承認欲しさに「いい人」を演じるようになります。
こうしていい人の拡大再生産が行われていくのです。
しかし、ネット断捨離するには本人の相当な覚悟と意志が必要で、特効薬がないのが現状です。