いい人は優越感を得たいがゆえに背伸びをして疲れる
しかし、いい人は他人からの評価を重視し、非常に気にします。
そのくせプライドは高いので、自分が小物扱いされることを極端に恐れ、見下されることを恐れます。
自分が見下されるのが怖いという人は、他人を見下したいという感情の裏返しなので、彼らは自分が優越感を得るために、自慢話や他人を見下す発言が多い傾向があります。
(そもそも他人を卑下する発想がない人は、そもそも自分が卑下されるかどうかということは考えません)
自分の価値を自分で計測できず、他人と比較しないと実感できないのです。
それでいて優越感がないと自分が安心できない。
だから、他人を見下したり、自分を着飾ったり、実績を盛ったりして自分を大きく見せようとします。
過去の栄光を繰り返し語る人、いい年をして、まだ自分の母校の話をする人、売上規模、業績、実績、人脈などの自慢をする人は、たいていこのタイプです。
自分の満足のためだけに、優越感・自己肯定感を得ようとし、それが自分の存在価値を確認するための唯一の指標なのです。
そういえば今、長野に出張中の新幹線に乗っているのですが、3人掛けの中央に乗っているおじさんが、足を大きく広げ、腕を組んで座っていて、両隣の乗客は迷惑そうです。
おそらくこの人も自己肯定感が低いのだと思います。
尊大な態度をとることによって、自分は偉いんだ、と周囲にアピール、あるいは自分に言い聞かせようとしているのでしょう。
そもそも偉い人は虚勢を張る必要はないわけですが、こういう人は虚勢を張らないと自分の価値が低いという感覚に押しつぶされてしまうので、それはプライドが許さないわけです。
逆のパターンもいて、ついつい他人と自分とを比較しては、「自分の能力は低い、だから自分はダメだ」と自己嫌悪スパイラルに陥ってしまう人もいます。
こうした人たちの共通点は、他人の成功を素直に喜べず、他人の幸せに嫉妬するという傾向です。
たとえば同僚が先に昇進したり、同級生や同僚の結婚報告を聞いて焦ったり、友人の子どもが有名私立校の受験に受かったと聞くと心がざわつきます。
いい人の多くは、実はひがみっぽいという側面を持っているのです。