簡単に差別化できる方法とは
フェラーリのクルマとトヨタなどの他の自動車メーカーのクルマとの間にある大きな違いは「見た目」にあります。トヨタのクルマと日産のクルマの違いを認識できる人は多くはいません。もちろん、クルマに詳しい人はわかるのかもしれませんが、消費者の多くはブランドロゴでも見ない限りその違いはわからないでしょう。
でも、フェラーリのクルマとトヨタのクルマの違いを認識できない人は稀ではないでしょうか。ブランドロゴを見なくても一目でフェラーリのクルマはフェラーリと認識できるはずです。性能の違いというものももちろんありますが、それは試乗してみなければわからないことです。
このことから差別化のヒントが得られます。簡単に差別化する方法は「見た目」で違いを出すことです。性能で差別化するためには資金と技術、時間が必要です。しかし、見た目で差別化することはそこまで難しい問題ではありません。
差別化を図る方法はたくさんあります。その中でも、比較的簡単にできるのが「見た目」での差別化です。たとえば、長い行列ができるあるラーメン店のラーメンはとにかく山盛りです。もやしやキャベツなどの具が山盛りに盛られています。器から15cmぐらいはみ出して山盛りに盛られているのです。見た目で差別化を図っています。
もやしがメインなのでそれほど原価はかかりません。もやしを山盛りに盛るだけなので何も難しいことはありません。しかし、たったこれだけで差別化を図ることができるのです。
行列店ではありませんが、トヨタ自動車は一時期、特徴のないクルマを販売する企業というレッテルを貼られて苦戦していたときがありました。そこでトヨタは、少し変わったクルマを販売しました。クラウンというクルマなのですが、これがただのクラウンではありません。このクラウンは車体の色がピンクなのです。見た目でも一番わかりやすい「色」を変えることで差別化を図ったのです。
これらの事例からもわかる通り、見た目を変えるだけで差別化を簡単に図ることができます。しかも、難しい理論が必要というわけではありません。難しくないユニークなアイデアを大胆に取り入れることができるのかが問われます。
多くの行列店で行われている見た目での差別化を行うことができるのか。繁栄する企業や店舗というのは、難しくないことを大胆に行えるのかが問われるのではないでしょうか。
image by: Bankoo / Shutterstock.com
『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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