あの「9.11」から15年。日本人が語る「あの日、私が見た異様な光景」

 

翌13日、ホテルを出るとキャンドルを持った人々がみな路上に出ていた。ネットで拡散されたらしく、キャンドルを掲げWTCの方角に祈りを捧げるためだった。私も黙祷した

なにしろニューヨークまで辿り着いたものの、空路が再開されるメドはまったく立たず、今度はマンハッタンから脱出不能という缶詰状態になった。

 私もニュースの現場を去って久しいしかしひょっとしてこの体験がなければ私自身書くことつまり表現することを現場を去った直後に止めていた可能性もある。未だにこうして駄文を書き連ねているのも、この時期の体験が大きく寄与している。

 9月11日同様、毎年9月12日がやって来ると、このマンハッタンに辿り着いた時の出来事を思い起こす。改めて、9・11の犠牲者に向け、合掌。

 

たまさぶろの人生遊記

著者/たまさぶろ
駆け出し週刊誌記者から CNN 本社勤務ディレクター、全国紙との業務提携を果たした大手ネット・メディア・プロデューサーなどメディア流浪者であり、BAR 評論家・エッセイストが、酒の話のみならず、1990年代に過ごした NY 時代の創作などいくつかのチャレンジを含めた「人生遊記」をお届けする。
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