【京都】平安時代へ時間旅行。都の秋を彩る「時代祭」の歩き方

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京都三大祭のひとつ、「時代祭」の季節が今年もやってきました。国内でも最も優雅で古趣に富んだ祭とも言われるこの「時代祭」を徹底的に楽しむための前知識を、無料メルマガ『おもしろい京都案内』の著者・英 学(はなぶさ がく)さんがわかりやすく解説してくださっています。

京都の誕生日と時代祭

今日は10月22日に行われる京都三大祭のひとつ時代祭についてお伝えします。

時代祭は平安神宮の例祭です。そして毎年京都の誕生日でもある10月22日に行われています。当日は京都御所の建礼門から京都御苑の堺町御門を出て時代風俗行列は平安神宮を目指します。今回は、時代祭の由来や成り立ち、また平安神宮の魅力をお伝えします。

明治28年に平安神宮が創建されました。平安神宮の管理と保存のための市民組織として平安講社が作られました。そして、その記念事業として行われたのが時代祭です。明治時代より前の各時代の風俗を取り入れた時代行列が行われるようになり、これが時代祭と呼ばれるようになりました。第1回の時代祭は、創建されたばかりの平安神宮への参拝として明治28年10月25日に行われました。2回目からは794年に平安京の都が京都に移された日である10月22日に行われるようになりました。

平安神宮に祀られている祭神は京都に都を遷した桓武天皇と首都京都の最後の天皇・孝明天皇です。この2柱の御霊が、2人の住まいであった御所から街の繁栄を見ながら行列のお供を従えて神宮へ行く形をとっています。ご神霊に京都市中を巡行していただき、市民の暮らしぶりをご覧頂き、京都全市民が心を一つにし平安を祈る祭礼なのです。それこそが時代祭の真意です。

時代祭の開催日は桓武天皇が長岡京から平安京に都を移したとされる10月22日なので、この日は京都の誕生日とも言えます。「一目で京の都の歴史と文化が理解できるものを」「京都をおいて他にはまねのできないものを」という思いで行われました。そこには京都人の心意気と誇りがふんだんに織り込まれているのです。

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