なぜ安倍総理はフィリピンのドゥテルテ大統領を責めなかったか?

 

南シナ海の教訓

ドゥテルテさんは、中国との争いの元になっている南シナ海問題について、こんなことを言いました。

大統領は「南シナ海で紛争があれば、平和裏に解決する価値観を基に、(日本と)緊密に協力する」と表明。「私は日本側に立つつもりだ。法の支配に向かって努力することが大切だ」と強調した。先に訪中した際、大統領は中国の主張を退けた仲裁裁判所判決を事実上、棚上げする姿勢を示していた。26日は「判決の範囲外の立場を取ることはできない」と述べ、当事者に対して拘束力を持つとの認識を示した。
(同上)

南シナ海問題。中国とは「棚上げ」で合意したが、紛争になれば仲裁裁判所の判決を根拠に戦う」ということですね。当然です。しかし、「棚上げ期間」に中国は、ますます実効支配を強化していく。フィリピンと中国で、領有権問題がある地域、仲裁裁判所は、「中国の主張には根拠がなく、フィリピンの方が正しい」という判決。しかし、「事実上中国領になってしまいそうです。

このことは、日本に大きな教訓を与えています。北方領土も竹島もそうですが、「実効支配」を許したら、後が本当に厳しい。交渉しても帰ってくる可能性はほとんどなく、取り戻したければ戦争するしかない。だから日本は、尖閣諸島防衛についても、真剣に決意を固めるべきです。中国が尖閣に上陸したら、即日排除しなければなりません。「困った困った。まずアメリカに相談しよう。次に国連安保理で相談して」などと言ってたら、アメリカ軍でも「もうムリです」となるでしょう(たとえば、アメリカは、ウクライナがクリミア半島を取り戻すために、ロシア軍と戦う気はない)。

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