松下幸之助と稲盛和夫、新旧「経営の神」に共通した理念とは?

 

組織と仕組み

松下電器が事業部制組織マトリックス組織を、京セラは「アメーバ」組織という知られていなかった組織形態を経営の根幹に据えました。

これらの組織形態の底に流れているのは「人のやる気」を引き出すことです。

人は、任せられなければ責任を負いません。
命令を受けるだけの仕事では、作業は行いますがあえて工夫して仕事を行いません。

パナソニックの「事業部制」では、事業部が単独の利益責任を負います。
それと、経営権限が委譲されます。
「事業部制」はいったん廃止されましたが、また復活しました。
そのことを考えると、経営と人の「心」との関わりが垣間見えます。

「アメーバ」組織では、各部門・各工程を経営(責任)単位として分割し自己裁量権と同時に利益責任を負います。

2つの組織形態については、マニュアルにも教科書に出ていません。
経営者の「血の小便」から生まれた組織のイノベーション(革新)です。

さらに、この組織が目的を実現できる仕掛けがあります。
パナソニックでは、本部の経理部門が各事業部の業績を月次決算で即時チェックするとともに利益が実現できるように支援します。
この制度はマネした企業があるもののうまく行かなかった制度です。

「アメーバ」組織では、各アメーバの共通評価基準として時間当たり利益で採算をチェックするようにしています。

企業経営は、「心」のマネジメントを根幹とし、利益を生み出す組織と仕掛けをきっちりと構築されています。  

 image by:Shutterstock

 

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