なぜキューバの市街地はビンテージカーばかり走っているのか?

 

旧市街に行く間の空港近くのハイウェイはちゃんと舗装されていました。 それが車が走るにつれ、どんどん道がガタガタでこぼこになっていく(笑)インフラはまだまだこれからの国のようです。

タクシーの運ちゃんはまったく英語が話せず。 で、僕たちもスペイン語が話せず。 それにも関わらず、陽気で延々話しかけてきます。 旧市街までの40分間、ノンストップで。 まだ言葉も話せない1歳半の息子がキャッキャ笑顔で対応。

その間、僕はずっと外に走るクラッシックカーを眺めていました。

もともと暖かい南国の島への旅行はいまでも興味なく。 それでも昨年の豪華客船カリブ海クルーズツアーよりは、100倍興味ありました。 理由は、ゲバラやカストロなどの“英雄”がいた国だから。 オバマやトランプや安倍さんやプーチンは“英雄”ではないもんね。 アメリカ合衆国に15年以上暮らして、USAという大国の「デカさ」を日々実感している僕としては、地図上で見るとこんなちっちゃな国で、あの大国にケンカを売ってきた歴史に、ちょっと感服していました。 どんな国民性なんだろうと。

そしてもうひとつの理由は、街中を走るクラッシックカーを実際この目で見たいからでした。 もちろん僕はカーマニアではありません。 クラッシックカー自体には興味はない。 でも、このクラッシックカーたちは、アメリカという大国に翻弄され、時には逆ギレして、小国のプライドを誇示し、現在は観光を資源としているこの国そのものを象徴するものだからです。 アメリカの経済制裁に耐え続けたアイコンだからです。

それにしても多いな(笑)。街中を走ってる車がすべて、日本ならビンテージもののオールドカーって光景ってちょっとヘンだ(笑)。

ベタな表現ですが、ホントにここだけ、映画で見た過去の世界にタイムスリップしたような感覚になります。

どうしてここまで年代物のビンテージカーだらけなのか。 もちろんキューバ人全体がクラッシックカーマニアってわけじゃありません。

アメリカとの国交を断絶し、経済制裁を受けたこの国は、自由に車を輸入できなくなった歴史があります。 なので、革命以前に輸入された車を使う意外に方法がない。 修理を繰り返しては、ずーっと使ってきたというわけです。

なので、車体をよく見ると、何回上塗りしたの?ってくらいボンネットの表面が塗装で厚みを帯びて少しふくれています。

運転手に、エンジンもそのまま当時のモノ?と聞くと、やっぱり英語が通じてないのかYES ! YES! と笑顔で親指立てられました。 絶対そんなわけないよね。

車を走らせること40分。 目的地のハバナ旧市街、ラ・アバーナ・ビエハ地区に到着しました。

完全なスラム街だがな、、、、(笑)。え?ここ中心地?

壁の落書きはブルックリンのごとく。 裸足で歩く住人はハーレムにもいません。

でも、建物はさすが16世紀にスペイン人によって建設された街。 趣は絵になるコロニアルな街並です。

ただ、いつものひとり旅じゃあるまいし、1歳半の双子を抱っこ紐のままで、このゲットーを手がかりなしでホテル探しするのは、想像しただけでゲンナリします。

なんとなく印をつけたガイドブック片手に、そのあたりをうろついていると。

頭上から「AKI~~KO !!!?? 」と妻の名前を呼ぶ声が。 おまえキューバに知り合いいたの?

民泊先の住人でありオーナーの黒人女性が建物の5階のベランダから手を振ってきました。

助かった、と思うと同時に、「え?5階?」エレベーターなんて当然ないよね。 。

しかも日本の5階と違って、キューバの住宅は背が高い。 。 ただの5階じゃありません。 1階の段数が多い。 そこを双子を両腕に抱え(妻はベビーカーを抱え)上がります。 寒い寒いニューヨークから来て、すでに汗だく。 スーツケースは、彼女のご主人らしき人がさっさっと慣れた様子で階段を駆け上がり運んでくれました。

5階のご自宅はとても奇麗でステキでした。 ハーイ♪と握手をした民泊のオーナーの名前はFanny (ファニー)。 年の頃は、、、、まったく年齢がわからない。 20代なのか、50代なのか。 たぶん、その中間なのか。

汗でびっしょりになっている僕に彼女は水を持って来てくれました。 冷蔵庫から冷えているペットボトルを持ってきて、わざわざ僕の目の前でキャップを開けます。 開けながら「新品だから安全よ」とアピールしてきます。 さすが世界中の旅行者相手に商売してるだけあって、海外からの観光客の気になるところを熟知している感じです。

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