なぜキューバの市街地はビンテージカーばかり走っているのか?

 

1月2日—早朝。

前日、遅くまで知人宅の新年会にお邪魔し、飲めないお酒を飲んだまま、ホロ酔い気分で、明け方帰宅。 そのままウトウト2時間ほどしたら、出発です。

チケット手配から、宿泊先、荷造りまで、お正月旅行のそのすべてを妻に任せているので、僕は何時の飛行機で何泊するかもあまり知りません。

とりあえずはタクシーに乗ってニュージャージーは、ニューアーク空港に向かいます。 1歳半の息子を抱っこ紐で抱えたまま。 タクシーの中で爆睡しようと昨夜から企むも、寝起きテンションマックスの双子の1歳児には、仮眠すらとらせてもらえませんでした。

いくら国際線でも3時間前に到着することないだろう、と眠い目をこすりながら、すべての準備をしてくれた妻にクレームを出すと、

「(今回の行き先は)キューバだよ! ビザを購入したり色々あるの!」と逆ギレされました。 ビザを購入? 買わなきゃいけないんだ!

実は日本のパスポートってとてもとても強くて、ビザが無料な国が結構あります。 でも世界は基本、入国ビザは購入するものです。 購入しなきゃ入国できない国だらけ。

昨年やっと国交が開いたアメリカでのキューバ入国ビザはひとりあたり$75。 4人分で$300を空港で購入します。 この料金も一律ではなく、航空会社の手数料も含めてなので、 まちまちです。 今回メキシコからキューバに渡ったうちの社員の話を聞くとメキシコのインテルジェットという航空会社では$25で買えたそうです。 彼女が空港のカウンターで購入しようとしたところ、近くにいたメキシコ人のオジさんが「$50」というので、そのまま$50札を渡したところ、後になって正規料金で$25と 判明。 オジさんを捕まえて「ボッタくったろ!」と問いつめると笑顔で$25返してくれたとか。

この話、結構キューバ人を言い表すのに最適な話かもしれません。とりあえずボッタくろうとするけれど、問いつめたらスグに笑顔で返してくれる。 「基本いい人でした♪」と、彼女はボッタくり相手を笑顔でいい表してました。 ヘタしたら$25余分に持っていこうとした相手に「いい人」もないけれど、わからなくもないのは、そう思わせてくれるカラッとした人懐っこさを感じさせてくれる人たちな気はします。

僕は普段の出張が多いのでマイレージを使ってファーストクラスへ。 子供ふたりを抱っこしたまま面倒を見なきゃいけない妻は3人でエコノミー席へ(笑)。

さすがに、どっちかひとりを(今回は熟睡してた息子の方を)連れてファーストクラスに乗りました。 泣き出すわ、笑い出すわ、ハシャギ出すわ、の1歳半を連れての飛行機は、ファーストもエコノミーも大差ないと知りました。

途中で、もうギブアップ。 どうしても妻の助けが必要になり、途中ファーストからわざわざ息子を連れてエコノミーに移動。 妻の席の隣の空いてる席に移動しました。 その時、妻が勝ち誇ったように一瞬、ニヤって笑ったのが目に入りました。

ニューヨークからカリブ諸島は約4時間—。 この国で暮らしていると4時間のフライトはあっという間の部類に入ります。 3ヶ月に1度のロス出張より短い。

到着後の入国審査でも、思ったより簡単に済ませることができました。

ここ数日、ニューヨークで知り合いにキューバに行くと言うと、こぞってみんなに「大丈夫?」と聞かれました。 「入国できるの?」「入国出来たとして、帰って来れるの?」と。 昨年、アメリカーキューバ間の国交が開かれたことが世界的なニュースになったことはみんな知っているはず。 それでも、まだまだアメリカに暮らしている人間にとっては未知数の国。 他のカリブの国々ではする必要のない心配をして頂きました。

出国は一週間後なので、まだわかりませんが、入国に関しては思ったより簡単でした。 外貨で成り立つ国。 旅行者はウエルカムなはずです。

1歳半の息子と娘はアメリカ生まれ。 パスポートはそれぞれ2冊、日本のそれと、アメリカのそれを持っています。 念のため、両方持参したので、僕と妻のも合わせ、計6冊のパスポートで移動です。 税関でも6冊まとめて提出しました。

到着した人生初キューバ、、、当然のことながら暑い。 蒸し暑さは零下のニューヨークから厚着で来ていた僕をスグにトイレで半袖に着替えさせました。

空港のトイレに着替えを持って入る。 入った瞬間、「あ、そっちなのね」と思いました。 「そっち側の国なのね」と。

とにかく「匂い」に神経質な僕は、トイレの下水の匂いがガマン出来ず。 でも、そう考えると、下水道のインフラがちゃんとシッカリして匂わない国なんて、数える程しかありませんでした。 日本とアメリカくらいです。 その2つの大国で暮らしている僕にとっては、衛生面でそれがいつしか当たり前になっているけれど、本来、そんな国は珍しい部類。 絶対数的に日本やアメリカのように下水のインフラが整ってる国の方が珍しい。 世界は下水の匂いで蔓延してる。 大げさでなく、日本で(もしくはアメリカで)暮らしている僕たちはそう感じる人も少なくないかもしれません。

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