なぜキューバの市街地はビンテージカーばかり走っているのか?

 

歩いて10分。 さきほどファニーに聞いた「なんでも手に入る」スーパーに到着しました。

そこで気付いたのは、世界で50都市以上に観光で行ったけど、しょせんそのほとんどが観光名所。 本格的な共産圏は数えるほどしかまだ足を踏み入れてなかったという事実でした。

まったくモノがないーーーーーーーーーーーーーーーー

確かにファニーの言うように「なんでも手に入る」のかもしれません。

ただし、1アイテムにつき、すべて1メーカーです。 ひとつの商品は、ひとつの種類しかありません。

大きな売り場はスカスカで、まったくモノが陳列していない棚も多く(最初は本当に営業してるのか、わかりませんでした。 日本なら完全に潰れたお店です)

たまに商品があるとしたら、まったく同じものがずーっと並んでいます。

ひと種類のサラダ油が、その棚全部を占め、 プリングルスのホテトチップス(しかも1フレーバー)が1種類並んでいます。

そこで初めて、共産圏にいるんだなぁ、と実感した気がします。 これこそが社会主義国なんだな、と。

例えば 今日、いきなり「人間」を始めたとしてー。

ふたつの国の経済政策を聞かされたとします。

ひとつは「資本主義」と言われる概念。 利益を求めた経済活動、つまり好きなだけお金儲けしていいよ。 もちろん格差は出ます。 優秀な人はより儲かり、優秀じゃない人は結構悲惨です。

もうひとつは「社会主義」という考え方。 個人に任せちゃうと弱い人が可哀想でしょ。 なので、社会ひいては国が管理してあげます。 なので景気に左右されることはないので安心ですよ。

いきなり、生まれて初めて、なんの先入観もなく、その概念だけを聞いちゃうと、僕は2つ目の「社会主義」(もしくは、その延長の「共産主義」)を支持しちゃいそうです。

でも人間は面白いもので、約100年の年月をかけて、どちらが人間として裕福かという答えを出しました。 正解は「資本主義」—。

相手が「国」とはいえ、ずっと面倒見てくれるなら、そりゃ勤労意欲なくすわな。

帰り道、閉店していると思った「お肉屋さん」の前を通り、たったハム一切れだけを売っている、あとは空のショーケースを見て、 労働者が満足出来る環境に生まれてきたことを僕は幸せと、そのとき初めて実感できたのかもしれません。

もちろん生涯、共産圏で生まれ、死ぬのであれば、それが当たり前であり、不幸せだと感じなかったかもしれない。 それでも、やっぱり、日本とアメリカで暮らせることは幸せなんだと思いました。

その刹那、なぜか、早く部屋に戻り、うちの双子を抱きしめたいという願望にかられました。

そして、宿泊先まで到着し、そこで、また忘れかけていた事実に気付かされました。

え。 。 。 。 オレ、これから5階まで階段で上がるの?  (  ̄  ̄;)

※ 一日目が終了。 次回に続く

image by: Delpixel / Shutterstock, Inc.

 

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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