中国撤退も、餃子の王将が「グルメ天国」台湾で愛される歴史的背景

 

こうして日台の相思相愛が生まれ、その流れは今につながっています。日本や台湾で天災が起こるたびに支援の応酬が日台間で繰り広げられているのも、こうした歴史的背景があるからです。この関係性は、世界中のどの国にもない日台独自のものです。

グルメ天国台湾で日本の外食チェーンが人気なのも、こうした背景と大いに関係があります。日本の外食チェーンは、台湾の食堂の値段と比べると2~3割増しと少し高めの価格設定です。

例えば、ランチは水餃子の店など台湾の食堂で食べれば高くても100台湾元以内で食べられるのに比べて、日本の吉野家などの外食チェーンで食べると140台湾元前後と割高です。それでも需要があるのは、やはり日本の企業だからです。

台湾での日本ブランドの信頼感は根強く、それは製品や食品への信頼感だけでなく日本そのものへの信頼感の現れです。今回の「餃子の王将」の台湾進出は、どこまで過去の事情を知った上でのことかはわかりませんが、日台間には特殊な空気があるということは知っているからこその台湾進出でしょう。特に中国で失敗した後なだけに、慎重になっているはずです。

王将にはアメリカ進出の噂もありましたが、安全を期すためにも台湾がベストな選択だということになったのではないでしょうか。前述したように、台湾の日本への信頼は非常に大きいからです。ジャンルは問いません。外食、家電、医薬品、車など、日本が作ったものはすべて信用しています。だからこそ、グルメ天国の台湾で割高な日本の外食チェーンも需要があるのです。

台湾では水餃子が中心で、王将の看板メニューである焼き餃子はあまりポピュラーではありません。水餃子の店は道を歩けばぶつかるほどあります。また、台湾にも焼き餃子をメインにしたチェーン店「八方雲集」があり、チェーン店なのに餃子は各店内で皮に餡を詰める新鮮さが受けて人気の店となっていますが、ここも焼き餃子のほかに水餃子も当然あります。

八方雲集

台湾は、食の面では充実していて飽和状態と言ってもいいほどです。それでも、「餃子の王将」が台湾に出店すれば一定の需要はあるでしょう。繰り返しますが、それは日本の企業だからです。

これが中国だとそうはいきません。政治リスクが非常に高いからです。たとえばあのマクドナルドも中国で失敗しました。アメリカ系の外食産業は「早い」ことが特徴であるため、中国人の口には合わない上に、政治問題も絡んでくると長続きはしません。特にマクドナルドは、クリントン元米大統領が江沢民との関係を使って中国進出を果たしただけに、習近平の時代になると中国での勢いは衰えていきました

2014年には中国にある米系食肉企業が期限切れ鶏肉や牛肉を使った加工肉をマクドナルドに納入していたことが発覚して、マクドナルドは大打撃を受けました。

そしてマクドナルドは今年1月9日、中国中信(CITICリミテッド)が率いる企業連合に同国事業の80%の株式(約2,300億円)を売却することで合意したと発表しました。つまり中国事業を売却したわけです。日本でも、マクドナルドの悪戦苦闘はよく報じられています。

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