東芝を追い詰めた、日本式「意思決定」プロセスの弊害

 

東芝で、ウェスティングハウスの買収を進めていた担当者も、ある時点で、そんな立場に追い込まれてしまったのだと思います。そもそもウェスティングハウスを買収して原発事業に乗り出すべきかどうか、そしてそれに必要な資金、共同出資者の選択、などの大きな部分で社内調整をして経営陣を説得した結果、「今さら引くに引けない」状況にまで追い込まれていたのだと思います。

そして最後の最後になって、ショーグループが「プットオプションをもらえない限りは共同出資はできない」と言い出したとすれば、それに東芝側の担当者が NO というのは非常に難しかっただろうことが容易に想像がつきます。

そして、なんとか買収を成功させたかった担当者は、「ショーグループが、プットオプションを要求しているのは、万が一のための保険に過ぎません。原発産業はこれから大きく伸びるので、ショーグループがプットオプションを行使することなど決してないので心配ありませんと経営陣を説得したのだと思います。

結局は、その万が一のこと(=福島第一原発での事故)が起こったために、ショーグループはプットオプションを行使し、東芝はさらに1000億円超のお金を支払って、(事故の結果、事業が低迷することが目に見えていた)ウェスティングハウスの株式を買い増さなければならなかったのです。

image by: Flickr

 

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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