出典は、最近読んだこの本です。経営復活した十勝バスの再生を追う物語。経営再建の第一歩のヒントが見つかります。
『黄色いバスの奇跡』
(吉田理宏 著/総合法令出版)
自分たちが「当然誰でも知っている」「当然誰でも分かる」ということも、お客様は意外に分かっていないものです。例えば、商品棚のものをじっと見ているお客様に、購入の意思があるのかどうか聞いてみると、「え、これ、売り物なんですか?」「え、ここ、お店なんですか?」と、意外すぎる答えが返ってくる時があります。
製品でも、電源のつけ方が分からないとか、電池を変えられるって知らなかったとか、保護カバーを外さず使っていたとか、「え、なんでそれが分かってなかったの?」ということって、けっこうあるんですね。
質問してくれる人はまだ親切なほうで、「分からない」という人のほとんどが、「分からないから、もういいや」と距離を置いて離れて行ってしまっています。
社内だって、例えば部下たちが全然報告をくれなかったり話しかけてくれなかったりして、「どうして話しかけてくれないの?」と聞くと、「え、話しかけてもよかったんですか? 話しかけちゃダメなものとばかり思ってて」と、意外な答えが返ってきますよね。
仕事の中では当たり前のことでも、たとえば入社したばかりの新人や、他業種から来た転職組などの中には、ファックスやコピー機を触ったことすらない、見積書と納品書と請求書の区別がつかない、固定電話の切り方が分からない、など、意外に分からなかったりするものなのです。
知ってて当たり前というのは、あくまでも自分たちの感覚であって、意外にみんな知らない、ということも、周囲にはあふれているのです。そんな至極単純なことが、売上低迷の理由だったり、コミュニケーション不足の原因だったりして、そこに気付けない会社も多くあります。
自社のことや自社の商品のことを「初歩の初歩」から教えるとしたら、どんなことから教えるといいでしょうか? そんな「意外すぎる初歩の初歩の疑問」をお客様や社員たちから集めるためには、どのような工夫をするといいでしょうか?
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
- お客様から「初歩的すぎる疑問」を聞くためにどのような工夫をするべきか。ノートにまとめる。
- 社員たちの「初歩的すぎる不明点」を知るためにどんな企画ができるか。ノートにまとめる。
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