年金にもかかる「税金」を、少しでも減らす裏ワザがあった

 

あと、公的年金を貰っている人が確定申告をする場合はどうなるかを見てみましょう。例えば、先ほどの扶養親族等申告書を出してない人は、毎回年金振込時に2万8,074円もの所得税が源泉徴収される事になりますが、翌年の確定申告(というか還付申告)をして税金の精算をするとします。

となると、この男性の年金総額は、老齢厚生年金130万円+老齢基礎年金75万円+配偶者加給年金38万9,800円+退職共済年金30万円=273万9,800円。この人の年金額から公的年金等控除額を見てみると120万円

国税庁(公的年金等控除)
国税庁(所得控除)

つまり、所得金額は273万9,800円-公的年金等控除120万円=153万9,800円。この所得金額153万9,800円から各種控除を引く

所得金額153万9,800円-基礎控除38万円-配偶者控除38万円-社会保険料控除24万円(4万円×6回)=53万9,800円課税所得)。

よって、納める所得税は53万9,800円×5.105%=2万7,556円。毎回の年金から2万8,074円源泉徴収されてたから、2万8,074円×6回=16万8,444円より2万7,556円低い14万0,880円還付ってこと。

住民税は(所得金額153万9,800円-基礎控除33万円-配偶者控除33万円-社会保険料控除24万円)×10%=6万3,980円所得割)。

あと、均等割5,000円程)の支払いも生じる。住民税については市役所にお問い合わせください。

なお、何か他の所得控除(他に支払った社会保険料、生命保険料控除や地震保険料控除、雑損控除、医療費控除等)は、扶養親族等申告書出しても使えない所得控除なので、確定申告の時に使うしかない。

じゃあ簡単に、次は65歳未満の人の年金でやってみましょう。

2.昭和29年5月10日生まれの女性(今63歳)

今は日本年金機構からの老齢厚生年金110万円の収入のみ(2ヶ月ごとに支払われる年金は18万3,333円)。独身。普通徴収(納付書とか)で社会保険料を毎月8,000円(年間9万6,000円)支払ってるものとします。年金収入が年間108万円以上なので扶養親族等申告書を日本年金機構に提出しないといけない。

この人が扶養親族等申告書をキチンと提出すれば、年金の各種控除が受けられるため源泉徴収税額が低くなる(年金は2ヶ月分支払うから年金総額を6で割って所得税を出してます)。

まず基礎控除→(18万3,333円×25%+6万5,000円×2ヶ月)=17万5,833円

ただし、基礎控除の最低額は月額9万円なので、9万円×2ヶ月=18万円。よって、基礎控除はこちらの最低額の18万円を使う

だから、年金収入18万3,333円-基礎控除18万円=3,333円

※注意

源泉徴収税額を計算される場合に用いる社会保険料は、年金から天引きされる分に限る。65歳未満の年金受給者は年金からは社会保険料が天引きされないので、社会保険料控除を使いたい場合は、確定申告するしかない。3,333円×5.105%=170円が毎回の年金支払いから所得税が源泉徴収される。社会保険料控除として、毎月の社会保険料8,000円×12ヶ月=9万6,000円は翌年の確定申告(還付申告)で使う。

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