稲田防衛大臣が会見で致命的ミス。謝罪のプロが指摘したNGワード

2017.07.06
 

2.「誤解」という言葉の翻訳

「誤解を与えてしまった」と稲田大臣は30回以上連呼したとのこと。なぜ「誤解」は謝罪においてタブーなのでしょう。その意味を考える必要があります。つまり誤解とは、「今回あなたたち(記者・視聴者)は間違って理解している」、「真実は私が知っている」、「今怒り、反発していること自体が間違いなのだ」と指摘していることになるからです。

批判を受ける側から「私は正しい」、すなわち「お前たちが間違っている」言われて、それが事実であっても興奮している環境下で冷静に理解できる人は普通いません。謝罪記者会見などが裁判ではなく雰囲気で流されることは、芸能関係者やコミュニケーションの専門家であれば当然知り抜いているはずです。それにもかかわらず「誤解」という言葉を連発する稲田大臣に、本当に三軍の統帥に関与する能力があるのか疑しく感じます。※

※正しくは自衛隊法により「内閣総理大臣の指揮監督を受け、自衛隊の隊務を統括する」という意味です。

今、事態を収拾しなければならない有事において、このような対応をしてしまう人に防衛大臣の要職は務まるのでしょうか。シビリアンコントロールとは、文民統制の名の下に、政治家が自衛隊を好きにできるというものではないはず。リーダーとして不適切な人物を、その能力がひときわ必要な職務に就かせている責任は大きいと思います。

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