【書評】まるでサラ金。人生を潰す、奨学金団体の恐ろしい裏の顔

 

借りたモノを返すのは当然の義務であるが、雇用情勢の劣悪化で、返したくても返せない若者が急増しているのが現実だ。ブラック企業に勤務して、肉体的、精神的、経済的に追いつめられ、返済どころか自身の生存さえ危うい若者が少なくない。病気や低賃金で支払えない若者にも、JASSOから情け容赦なく請求が及ぶ。

本人に支払い能力がないと分かるや、即座に連帯保証人や保証人に請求が飛ぶ。膨れあがった延滞金は巨額である。ほとんどかつての消費者金融被害と同類だ。奨学金というプラスイメージから、穏健な対応がなされると思ったら大間違い。JASSO電話相談窓口のヒステリックで超絶不親切な対応の、あまりのひどさに呆れはてた。

JASSOは債権の回収を民間会社に委託しており、その対応は一般の債権回収と同じだ。回収会社の業務はあくまでも委託された債権の回収である。そこは福祉目的の奨学金制度とは完全に切り離された、殆どサラ金の世界だ。厭な仕事、汚い仕事、恨みを買う仕事は民間に投げろということだ。じつに悪賢い組織だ。

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